建設業界におけるクレーム

建設業界では、施主からのクレーム、元請業者からのクレーム、近隣住民からのクレーム等多種多様なクレームがあります。そのクレームの多さから、クレーム産業などと呼ばれることもあります。

クレームを受けた後に重要なのは、沈静化したうえで解決策を見出いしてくことになりますが、どのようなことに気をつけて対応すれば良いのでしょうか。

建設業界におけるクレーム対応の5原則

苦情を受け止める

どんな内容であっても、どの点を不快に思っているのか、何に対して苦情を言っているのかを、まずは受け止めることが大切です。頭ごなしに否定したりせずに、丁寧に話を聞くようにしましょう。電話の場合は、適度に相槌を打ちながら、対面の場合は頷いて同意を示しながら傾聴を心がけましょう。

他人事とは思わないようにする

建設業界の場合、一つの案件の中でも作業等が細分化されており、担当する部署や会社も分かれていることがほとんどです。そのため、自分の部署や会社とは直接関係のないクレームを受けることもしばしばです。ただ、そのような場合でも、全体としてかかわっている以上、当事者意識をもって一次対応をするようにしましょう。

要求をよく確認し、何を求めているのか把握する

建設業界におけるクレーム対応に限りませんが、苦情主が訴えていることは何なのか、何をして欲しいのかをよく聞いて把握するようにしましょう。何を求めているのかによってその後の対応策が異なります。

冷静に解決策を提案する

早く解決しようとその場しのぎの対応をすると、その後もクレームが続く可能性があります。クレームの対応は大変で嫌なものですが、安易な解決策を取らず、冷静に考えて対応するようにしましょう。

情報の共有

クレームを分析して誠意をもって対応したことをまとめ、社内で共有することにより、どのように苦情に対応するかという生きたマニュアルを作ることが可能になります。また、お客様に対してより良いサービスを提供することにもつながりますので、クレーム対応を蓄積していくことは資産ともいえます。

建設業界における主なクレーム

内容としては実に様々なものがありますが、多いのは近隣住民からのクレームです。建築に必要なペンキ等材料の飛散、騒音等内容は多岐にわたります。ここでは、騒音に焦点をあてて説明をいたします。

建設現場の騒音でクレームを受けたときに対応方法

騒音クレームについては、すべてが慰謝料の対象になるわけではなく、「騒音が受忍限度を超えるかどうか」が基準になります。そして受忍限度とは、社会生活上、一般に受忍すべき限度を指し、騒音が違法であるというためには受忍限度を超えている必要がある、ということです。

クレーム対応でも、この受忍限度を超えているか超えていないかで、対応が変わってきます。

騒音が受忍限度を超えている場合

この場合は、防音対策を行って騒音レベルを下げる必要があります。防音対策を取っていない場合、実際に裁判の場では慰謝料の支払いを命じられることになりまうので注意が必要です。

騒音が受忍限度を超えていない場合

実際に裁判になっても慰謝料の支払いを命じられる可能性は低いと言えますが、できるだけ騒音を減らすように対策し、誠意をもって対応するようにしかしょう。但し、金銭的な要求にすぐに応じる必要はありませんので、落ち着いて対応するようにしましょう。

まとめ

騒音に限らず、建設業界でのクレームは多いものですが、一つ一つ誠意をもって丁寧に対応する必要があります。とばいえ、すべてに現場職員のみで対応するのは大変ですし、他部署や他企業とうまく連携しながら対応する必要もあります。どう対応したら早期に且つ適切な解決策を見出せるのか、早めに顧問弁護士に相談するようにしましょう。弁護士とともに対応することで早期に解決することもできますし、万が一訴訟に発展した場合であっても顧問弁護士に対応してもらえることで落ち着いて準備をすることができます。建設現場でのクレームでお困りの場合は、当事務所へご相談ください。