1.自社のWebサイト・ホームページ制作にフリーの素材サイトの画像やイラストを利用する際の著作権の注意点

自社のホームページを作る際に、インターネットのフリー素材サイトから画像やイラストをダウンロードして利用している場合も多いのではないでしょうか。フリー素材サイトは、手軽に気に入った画像やイラストをダウンロードできる反面、著作権について気をつけなければならないこともあります。

2.著作権について、注意すべき点

(1)ダウンロードした画像が他人の著作権を侵害していることがある。

画像やイラストをダウンロードできるサイトには、大きくわけて以下の3つの種類があります。

① サイト運営会社が自社で制作した素材を掲載している。
② サイト運営会社が他社に依頼して制作した素材を掲載している。
③ 写真家やデザイナーが作成してサイトにアップロードしたものを、サイト運営会社が委託を受けて、販売又は無償提供している。

上記①②のサイトの場合は、比較的安心できますが、③の場合は、サイト運営会社が著作権について1つずつ確認をしているわけでもありませんので、第三者の画像やイラストを勝手にアップロードしたものが紛れ込んでいる可能性もあります。

(2)画像の利用者が損害賠償責任を負うことがある。

③のようなサイトから画像やイラストをダウンロードして自社のホームページやWebサイトに使用していた場合、著作権侵害をしているとして損害賠償等を求められることがあります。

著作権侵害をするつもりがなくダウンロードした画像等であっても、著作権者から訴訟を起こされたり、損害賠償請求をされたりするのは、素材提供のサイト運営会社ではなく、自社のホームページやWebサイト等で利用した者になりますので、注意が必要です。

3.ダウンロードした画像やイラスト等を使用する前に確認しておくべきこと

前述のようなトラブルを防ぐために、素材提供をしていうる会社のサイトからダウンロードした後、実際に使用する前に次の2点について確認をするようにしましょう。

① サイト運営会社の利用規約を読む。

画像やイラスト等の素材をダウンロードして使用したことで、トラブルになった時に、サイト運営会社がどこまで責任を負うかは、利用規約に定められていることがほとんどです。利用にあたっては、事前に規約も確認するようにしましょう。

② 画像やイラスト等の素材について、著作権の帰属を確認する。

ダウンロードした素材を使用する場合には、その画像やイラストを使用することが、他人の著作権の侵害をすることにならないか確認する必要があります。しかし、現実に第三者の著作権を侵害しているかいないかを確認することは困難です。ただ、インターネットで検索を行ってみて、有料の素材提供サイトにも掲載されていないかどうか等を調べることで、ある程度の目星をつけることも可能です。少しでも気にかかることがあれば利用を控えた方がよいでしょう。

4.著作権トラブルに備えて準備しておくべきポイント

万が一後で第三者との間で著作権侵害についてトラブルになった場合に備えて、素材ごとに以下の内容を記録しておくようにしましょう。

① どのサイトからダウンロードしたのかURLを記録しておく
② ダウンロードした日付
③ ダウンロードした際の購入金額
④ ダウンロードしたサイト画面のキャプチャーを取っておく

5.まとめ

これまでに説明してきたように、フリー素材サイトから、画像やイラストをダウンロードをして使用することは、知らず知らずのうちに第三者の著作権を侵害している場合があり、予期せずしてトラブルに巻き込まれることがあります。

そのためには、社内での教育を徹底し、研修等でリスクを伝えたうえで、適切に画像等を使用できるようにしましょう。研修等については、自社にあわせてカスタマイズした内容で顧問弁護士に行ってもらうこともできまし、伝えるべきポイントを教えてもらい、自社で行ってもよいでしょう。顧問弁護士がついていれば、万が一著作権についてのトラブルに巻き込まれた場合でも落ち着いて対応することができます。不安に思うことがあれば、経験豊富な顧問弁護士に相談しましょう。