【ポイント】
- 労働者派遣の法律関係を確認しましょう。
- 自宅待機は指揮命令権を根拠になされています。
【相談例】
派遣元と派遣先どちらが自宅待機を判断するのか。
【回答】
自宅待機を命じる権限は、指揮命令権を有する派遣先企業にあります。
【解説】
派遣契約の法律関係
労働者派遣の法律関係は、上記の図のように、労働者と派遣会社が雇用契約を結び、派遣会社は派遣先企業との間で労働者派遣契約を結ぶという構造になっています。
給与の支払いは派遣会社が行いますが、指揮命令権は派遣先企業にあるというのが労働者派遣の法律関係の特徴です。
指揮命令権の内容
労働者は、労働契約に基づき、使用者の指揮命令を受けながら労務を提供する義務を負っています。
指揮命令の内容については、「使用者が労働者に対して持つ指揮命令権は、より広く業務命令権と呼ばれることもあり、本来的な職務の他に、出張、研修や健康診断、自宅待機などにも及びうるものである。」[1]とされています。
労働者派遣における自宅待機判断
派遣の場合、派遣先企業が指揮命令権を有することから、自宅待機についてその判断を行い、命令するのは派遣先企業ということになります。
[1] 「労働法(第7版)」水町勇一郎(有斐閣、2018年)114頁