ポイント

  1. 債権管理は、弁護士に一任すれば完了するものではない
  2. 債権管理は、当事者意識があるかどうかによって成否がわかれる
  3. 債権管理は、当事者と弁護士との役割分担が重要となる

債権管理は弁護士に任せればいいのか

債権管理のご相談でよくある誤解ですが、債権管理は問題が起きたときには、すべて弁護士に一任すればよいと考えている企業は少なくありません。

ですが、債権管理の方法は法的手続だけではありません。また、法的手続きによりさえすれば必ず成功するというものでもありません。

したがって、債権管理は、弁護士に一任すればそれだけで解決するわけではないということに留意する必要があります。

債権管理の成否は当事者意識にある

むしろ、債権管理の成否は、弁護士任せにすることではなく、いかに当事者意識をもってこの問題に取り組んでいただくことができるか、によるといえます。

債権管理は情報戦です。例えば、相手方の預貯金の口座を差し押さえるという方法がありますが、預貯金の差押を成功させるためには、相手方の使用している預金口座に関する情報を入手する必要があります。また、取引先に対する売掛金を差し押さえるためには、取引先に関する情報を入手する必要があります。

また、債権管理はスピードが重要です。相手方の預貯金があったとしても、差押を警戒して預金を引き出されたり、他の預金口座に移動されたりすれば差押も奏功しません。少しでも早く債権管理に動くことがポイントといえます。

債権管理の役割分担

このように、債権管理のメインはあくまでも当事者にあるということをご理解いただきたいと思います。

その上で、弁護士は債権管理の予防策の構築や、債権管理の解決としての交渉や裁判等、法的手続の対応を行っていくという役割分担を意識していくことが、債権管理の成功率を高めることになります。

なお、債権管理では、ともすれば回収率を上げるために、強硬な取り立て等、無理をしてしまうこともあるかもしれません。

ですが、あまりにも強引な取り立てをしたり、場合によっては反社会的勢力の力を借りてまで取り立てをしようとしたりすれば、債権者であっても強要罪等の刑事責任や、行政処分等を受けることになりかねません。

どこまでの債権管理行為が許されるのかということも、弁護士に相談して対応していく必要があります。

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