ポイント
- コンプライアンスとは、法令等遵守を指します
- コンプライアンスとは、法律さえ守ればよい、というものではありません
- コンプライアンスリスクは、法務リスクに限られません
コンプライアンスとは
以前、大手教育関連企業が大量の個人情報を流出したり、日本を代表する企業の不適切会計処理を犯したりしてしまったことがマスメディアを賑わせたことがありました。
このような大企業による不祥事は、多くの方にとってもご記憶に新しいことと思います。このような不祥事は、コンプライアンス違反が問題となる事例といえます。
そもそもコンプライアンスとは何を指すのかを整理しておく必要があります。
コンプライアンスとは、「法令遵守」と和訳されることがあり、法令(法律)を守ることが求められる、と捉えられることがあります。
コンプライアンスは、法令を遵守することも求められる以上、この和訳も誤りではありませんが、現在は、コンプライアンスの定義はより広義の意味で解釈されています。
具体的には、コンプライアンスとは、法令等遵守と定義されています。
コンプライアンスとは、単なる法令遵守にとどまらず、法令を超えた社会規範や社会道徳、ステークホルダーの利益や要請に適うことまでも求められる概念と解釈されています。
コンプライアンスリスクと法務リスクの関係
企業が起こした不祥事は、法令違反にとどまらず、社会規範や社会道徳に反していたり、企業の利害関係者の要請に適っていないと捉えられたりすると、深刻なコンプライアンスリスクとして顕在化することになります。
コンプライアンスリスクを、単なる法令遵守の問題として捉えていると、不祥事が発生した際の対応を誤ったり、不祥事の発生を防止するための対策の講じ方を誤ったりするおそれがあります。
言い換えれば、コンプライアンスリスクと法務リスクは重なり合いますが、コンプライアンスリスク=法務リスク、ということではありません。
したがって、コンプライアンスを検討する際には、法務リスクを検討すれば足りる、というわけではないことに留意しましょう。
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