相談事例
新たに友人とともに新規ビジネスを始めようと思い、会社の設立を検討しています。
設立コストが安く、株主総会のような内部組織の設置の必要もない合同会社形態を選択しようと思いますが、創業期はとにかく売上げを確保するための営業構成をかけることが重要ですし、設立手続にミスがあってはまずいため、設立手続自体は専門家に依頼しようと思います。
合同会社の設立に当たり、具体的にどのような専門家に依頼すればよいか、教えてください。
回答
合同会社の設立に当たっては、設立登記申請等の設立手続そのものについては司法書士が、設立後の社会保険・労働保険関係については社労士が、設立後の税無関係については税理士が、設立前後にわたっての法的問題については弁護士が、それぞれの分野の専門家といえます。
また、費用を抑えるため届出書の提出作業だけスポット的に依頼したり、個別に各専門家に依頼することが手間である場合には、たとえば弁護士に他の専門家との連携も含めて一括して依頼する方法も採り得ます。
解説
合同会社設立の流れと各専門家の役割等
具体的な合同会社設立手続については、「合同会社の設立手続」をご参照ください。
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合同会社の設立に際しては、大まかに以下の段階ごとに、全部で4種類の専門家が関与することとなります。
【合同会社設立手続と専門家】
手続の段階 | 専門家 |
---|---|
設立手続 | 司法書士 |
設立後の税務関係 | 税理士 |
設立後の社会保険関係等 | 社労士 |
設立前後の法的問題 | 弁護士 |
もちろん、外部専門家に設立前後のサポートを依頼する場合、必ず上記4種類の専門家全てに依頼する必要があるというものではありません。
たとえば、定款作成については司法書士ではなく弁護士に依頼したり、パートタイマーへの給与支払の計算については社労士ではなく税理士に依頼したりするなど、業務内容によっては別の専門家に集約して依頼し、依頼する専門家の種類・依頼業務内容を削減することが可能です(それによって費用を節約することも期待できます)。
また、定款の作成や必要書類の準備等はできる限り自分で行い、時間と労力を節約するために届出だけ専門家に依頼する、といったスポット的な利用も可能です。
合同会社の設立手続と、各段階での専門家を簡単にまとめると、概要以下のとおりです。
【合同会社の設立と専門家の役割等】
手続の段階 | 業務内容等 | 専門家 | 備考 |
---|---|---|---|
設立手続 |
|
司法書士 |
|
(設立後) 社会保険関係 |
【年金・健康保険】
【労働保険】
|
社労士 |
|
(設立後) 税金関係 |
|
税理士 |
|
(設立前後) 設立手続のサポート、関係者間の契約書作成等 |
【設立前】
【設立後】
|
弁護士 |
|
参考文献
江頭憲治郎「株式会社法第6版」(株式会社有斐閣)
(注)本記事の内容は、記事掲載日時点の情報に基づき作成しておりますが、最新の法例、判例等との一致を保証するものではございません。また、個別の案件につきましては専門家にご相談ください。
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