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契約法概論④ 契約用語1

契約法概論④ 契約用語1

解説動画

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チャプター
    • この動画の視聴にかかる時間:約23分
    • 00:00:自己紹介・本動画でお伝えしたいこと
    • 00:50:リーガルメディアのご紹介
    • 01:11:契約書の基本的な構成
    • 02:31:契約の成立要件
    • 03:44:契約の成立時期
    • 04:57:契約締結と書面の要否
    • 08:03:契約書のタイトルと法的効果
    • 09:30:「前文」の意味
    • 10:56:条・項・号
    • 13:36:後文
    • 14:29:契約書作成日
    • 16:22:当事者名の表記
    • 17:48:契約書の署名・押印
    • 19:30:印紙の要否
    • 20:47:まとめ
    • 21:16:サポートプランのご案内
    • 22:22:メールマガジン登録のご案内
    • 22:47:お問い合わせのご案内

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質問

当社でも今後は少なくとも重要な契約については契約書を作成していこうと思いますが、契約書に度々出てくる「又は」「若しくは」ですとか、「及び」「並びに」といった、細かい用語の使い分け方や読み方がよくわかりません。

「又は」や「若しくは」というのはどちらも同じ意味で、書き手の気分に応じて使い分けても特に問題ないですよね?
それとも、これらの用語の使い分けには何か意味があるのでしょうか?

回答

契約書において、法律上、「必ずこの用語・用語ルールに従わなければならない」といった決まりはありません。

もっとも、読み手によって文書の読み方が変わることがないよう、法令用語は厳密なルールに則って整理されており、「又は」「若しくは」ですとか、「及び」「並びに」といった用語も厳密に使い分けられています。

そのため、当事者間で契約内容の解釈にズレが生じないよう、法令用語のルールに則って契約書も作成することをお勧めします。

解説

契約書における用語・用語ルール

契約書において、法律上、「必ずこの用語・用語ルールに従わなければならない」といった決まりはありません。

もっとも、契約書の作成においては、表現のわかりやすさはもちろん、表現の正確さが最も重要な要素の一つとされるところ、契約当事者のみならず、国民全員を規律する立法の世界においては契約書の場合以上に表現の正確さが重要視されていると言えます。

そして、法令用語においては、読み手によって文書の読み方が変わることがないよう、法令用語は厳密なルールに則って整理されており、「又は」「若しくは」ですとか、「及び」「並びに」といった用語も厳密に使い分けられています。

したがって、当事者間で契約内容の解釈にズレが生じないよう、法令用語のルールに則って契約書も作成することをお勧めします。

以下、民法等の条文や、契約書においても頻出といえる代表的な用語について数回にわたって簡単にご紹介していきます。

「又は」「若しくは」

「又は」と「若しくは」は、意味から言えば、どちらもいわゆる選択的接続詞であり、日常用語としては差異はありません。もっとも、法令用語としては、両者は厳格に使い分けられています。

まず、数個の語句を単純に並列するだけのときは「又は」を使用します。たとえば、「A又はB」、「A、B、C又はD」といった記載をします。

「又は」は、大きな接続の段階で使用する一方、「若しくは」はその下の小さな接続において使用します。具体的には、A又はBというグループがまずあって、これとCというものを対比しなければならないような場合に、「A若しくはB又はC」と記載します(あえて数式で表現すれば、{(A or B) or C}となります)。

「及び」「並びに」

併合的に結びつけられる語句が単純に並列的に並ぶだけのときは「及び」を使用します。たとえば、「A及びB」、「A、B、C及びD」といった記載をします。

他方、結合される語句に意味の上で上下・強弱の段階があるときは、「及び」の他に「並びに」を使用します。具体的には、「A・Bグループ」と「C」戸に分けられ、A・Bの結びつきが強いことを示す場合には、「A及びB並びにC」と記載します。

「時」「とき」「場合」

「時」と「とき」については、時点や時刻が特に強調される場合には「時」を、一般的な仮定的条件を表す場合には「とき」を使用します。たとえば、「被相続人が相続開始の時において有した財産」のように使います。

「とき」と「場合」については、いずれも仮定的条件を示すものであり、法文上の用法は同じです。そのため、一般には、別に意味に区別をつけずに、主としてその時々の語感によって適当に使い分けられることがあります。

もっとも、仮定的条件が二つ重なる場合には、大きい条件については「場合」を、小さい条件には「とき」を使用します。

たとえば、「控訴を棄却した画定判決とその判決によって確定した第一審の判決とに対して再審の請求があった場合において、第一審裁判所が再審の判決をしたときは」などと使うことになります。

「善意」「悪意」

日常用語としては、「善意」とは、道徳的に善い人、いわゆる善人のことを、「悪意」とはその逆を意味するものとして使用されていますが、法律的な意味とは大きく異なります。

「善意」とは、ある事情を知らないことをいい、「悪意」とは、ある事情を知っていることをいいます。このように、法律上の「善意」「悪意」とは、ある事実に対する知・不知を意味する用語であり、日常的に使用する意味での道徳的な意味合いは一切関係がありませんのでご注意ください。

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