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売掛金・未収金回収トラブル

はじめに

サロン経営においては、顧客からの後払い(売掛金)や取引先との掛け取引が発生することがあります。例えば、商品の卸売りや予約金の残金などが未収となる場合です。こうした売掛金・未収金の回収が滞ると、経営に大きな悪影響が出ます。

本記事では、売掛金・未収金の回収方法とトラブルを防ぐためのポイントを解説します。早めに適切な措置を取ることで、サロンのキャッシュフローを安定させることができます。

Q&A

Q1. 売掛金や未収金の回収が遅れた場合、どのような手続きが可能でしょうか?

一般的には内容証明郵便で支払いを求め、それでも支払われない場合は支払督促少額訴訟通常訴訟などの法的手段を検討します。金額によって適した手続きが異なります。

Q2. 内容証明郵便とは何ですか?

内容証明郵便は、郵便局が手紙の内容を証明する制度です。「いつ、誰に、どんな内容の書面を出したか」を公的に証明できるため、「支払いを求める正式な通知」として強い効力を持ちます。

Q3. 支払督促とは何でしょうか?

支払督促は、相手方が支払を拒否する明確な理由がなく、支払督促の通知に異議を出さなければ、強制執行が可能になる手続きです。比較的簡易に進められる点がメリットですが、相手が異議を申し立てると通常訴訟に移行します。

Q4. サロンでの売掛金が発生しやすいケースは?

大口の商材納品を掛け取引で行ったり、定期プランの料金を後払いで設定している場合などが挙げられます。また、法人向けの出張美容サービスを提供している場合、支払いが遅れると売掛金として残るケースもあります。

Q5. 回収を代行してもらえるサービスはありますか?

弁護士や債権回収会社(サービサー)に依頼する方法があります。金額や状況に応じて最適な手段を選び、回収コストとのバランスを考慮して決めると良いでしょう。

解説

売掛金回収の基本ステップ

  1. 催促(督促状・内容証明)
    まずは支払いを促す文書を相手に送付し、期日や支払方法を明示。
  2. 法的手続きの検討
    相手の反応がなければ、支払督促や少額訴訟など手続きへ移行。
  3. 強制執行(差押え)
    裁判等で勝訴が確定したにもかかわらず支払いがない場合、相手の財産を差し押さえて回収する。

トラブル防止策

支払督促・少額訴訟の活用

  1. 支払督促
    費用や手間が比較的少なく、相手が異議を出さなければ確定し、強制執行可能となる。
  2. 少額訴訟
    60万円以下の金銭トラブルを迅速に解決する制度。1回の期日で判決が出ることが多い。
  3. 通常訴訟
    金額が大きい場合や、相手が争う姿勢を示す場合は通常訴訟で対応。判決確定後に強制執行が可能。

弁護士に相談するメリット

  1. 最適な回収方法の選定
    金額や相手の対応状況に応じて、支払督促・少額訴訟・通常訴訟など最適な手続きをアドバイス。
  2. 内容証明の作成サポート
    法的に有効な文言を使った内容証明を作成し、支払いを促す効果を高める。
  3. 債権回収の迅速化
    法的手続きに関する経験やノウハウを活かし、早期に判決確定や和解を目指す。
  4. 紛争長期化のリスク軽減
    相手とのコミュニケーションを弁護士が担当することで、感情的対立を避け、解決をスムーズに進める。

まとめ

サロン経営における売掛金・未収金の回収トラブルは、キャッシュフローに深刻な影響を及ぼします。後払いの商流がある場合は、契約書の整備信用調査支払条件の明確化など、事前の対策が欠かせません。

万が一、支払いが滞った場合は、内容証明支払督促などの法的手段を速やかに検討し、専門家へ相談することが得策です。早めのアクションが、事態の悪化を防ぎ、経営の安定を守るカギとなります。


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