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減給処分について企業が知るべきポイントとは

はじめに

企業経営をしていると、従業員に対する賃金をどのように調整すべきか悩むことがあるかもしれません。その中でも、減給は慎重な対応が求められる項目です。本稿では、減給に関する法律上の基本ルールや違法になるリスク、また実施時の注意点について解説します。

減給についてのよくある質問(Q&A)

Q1. 減給とは何ですか?

A1. 減給とは、従業員の賃金を何らかの理由で減らすことです。企業が行う減給には、懲戒処分としての減給と、経営状況や業務評価に基づくものなどがあります。懲戒処分としての減給は、労働者が問題行為を行った場合に行われますが、その他にも、降格や業績不振などに伴う減給も存在します。ただし、これらの減給には法律的な制約があるため、違法とならないよう注意が必要です。

Q2. 懲戒処分としての減給はどんな場合に行われますか?

A2. 懲戒処分としての減給は、従業員が企業秩序を乱す行為を行った場合に、本来支払われるべき賃金の一部を差し引く形で行われます。これは、社内規則に基づいて適切に実施されるものであり、例えば無断欠勤や職場内での重大な規律違反が該当します。

Q3. 懲戒処分以外の減給もありますか?

A3. はい、懲戒処分以外にも、業務評価の結果による降格や、経営不振などを理由とする減給があります。ただし、これらの場合でも、就業規則や労働契約に基づいて適切に行わなければなりません。また、労働者の同意が必要な場合が多いため、一方的な減給はリスクが伴います。

Q4. 減給が違法になることはありますか?

A4. 減給が違法になる可能性はあります。賃金の全額払いを原則とする労働基準法24条や、懲戒処分としての減給に対する制限を定めた同法91条に違反する場合、減給は無効とされます。懲戒処分として行われる減給には「平均賃金の1日分の半分を超えない」「総額が1賃金支払期の賃金の10分の1を超えない」という厳格な制限があります。

Q5. 減給を従業員の同意なしに実施することはできますか?

A5. 懲戒処分以外の減給を行う場合は、原則として労働者の同意が必要です。しかし、例外として就業規則の合理的な変更を通じて実施することが可能な場合もあります。ただし、その際は労働者に対して変更内容を周知させ、変更の合理性を証明できる必要があります。

減給の制限と注意点

賃金全額払いの原則

労働基準法24条では、賃金は全額労働者に支払わなければならないと規定されています。これは、企業が労働者の賃金を一方的に減額することを制限する重要なルールです。ただし、懲戒処分としての減給や社会保険料の控除など、法令に基づく例外も存在します。

懲戒処分としての減給の限度

懲戒処分としての減給には厳しい制限が課されています。具体的には、1回の問題行為に対する減給額は、労働者の平均賃金の半日分を超えてはならず、また1賃金支払期における減給額の合計が賃金の10分の1を超えてはいけません。この制限を超える減給は無効となり、場合によっては法的なトラブルに発展する可能性があります。

合意による減給

従業員の同意を得て減給を行うことも可能ですが、その同意が自由な意思に基づくものであるかが慎重に判断されます。例えば、会社側から一方的に減給を通知し、従業員が異議を述べなかった場合でも、その同意が有効と認められないケースがあります。

弁護士に相談するメリット

減給は、労働法上の制約が厳しいため、適切な手続きなしに実施することで、企業は労働者から訴訟を提起されるリスクを負うことになります。弁護士に相談することで、減給の合法性を確保し、トラブルを未然に防ぐことができます。また、労働契約や就業規則の見直しに関しても、法的なアドバイスを受けることで、適切な措置を講じることができます。

まとめ

企業において減給を実施する場合には、労働法の定めに従い、慎重に行うことが重要です。特に懲戒処分としての減給や、就業規則の変更を伴う場合には、法的なアドバイスを受けることで、リスクを最小限に抑えることが可能です。減給に関する疑問やお困りの際は、弁護士法人長瀬総合法律事務所にご相談ください。

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