ポイント

  1. 人的担保(保証契約)を活用することで、平時から債権管理ができる
  2. 保証人と連帯保証人の違いに留意する
  3. 保証契約は、書面がなければ成立しない(要式契約)

人的担保の利用

物的担保のほかに、人的担保を利用することも考えられます。

人的担保は、保証人との間で保証契約を締結することが一般的ですが、保証契約を締結する場合には、以下の点にご留意ください。

保証人と連帯保証人の違い

まず、保証人には、保証人(民法446条以下)と連帯保証人(民法454条)の2種類があります。

保証人と連帯保証人には、以下のような相違があります。

以下の相違から、債権者としては、保証契約を締結する際には、連帯保証契約を締結したほうが有利といえます。

催告の抗弁権(民法452条)の有無

催告の抗弁権とは、債権者が保証人に債務の履行を請求したときに、保証人が、まず主たる債務者に催告をなすべき旨を請求することができる権利をいいます。

ところが、連帯保証人の場合には、催告の抗弁権が認められないため、債権者から請求された場合には支払に応じなければならないことになります(民法454条)。

検索の抗弁権(民法453条)の有無

検索の抗弁権とは、保証人が、債権者に対し、主たる債務者の財産につき執行をなすまで自己の保証債務の履行を拒むことができる権利をいいます。

ところが、連帯保証人の場合には、検索の抗弁権が認められないため、主債務者の資産の有無にかかわらず、債権者から請求された場合には支払に応じなければならないことになります(民法454条)。

保証契約における書面の要否

なお、契約は、一般的には当事者間の意思表示の合致によって成立し、書面は必要とされませんが(不要式契約)、保証契約では書面が必要とされることにご留意ください(民法446条2項)(要式契約)。

保証契約を締結する場合には、口頭だけでは足りず、書面(契約書)を作成しなければ、成立自体が認められないことになります。

保証契約によって債権管理を行うのであれば、契約書を作成することは忘れずに行わなければなりません。

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