ポイント

  1. メンタルヘルスにトラブルを抱える労働者は年々増加傾向にある
  2. メンタルヘルス対策に取り組む企業も年々増加傾向にある
  3. メンタルヘルスケアは、4つのステップで実行することが求められる

労働者のストレスの現状

労働者を取り巻く労働環境については、労働者のストレスや心の健康問題が深刻化しているとの報告・指摘が多方面からなされています。

厚生労働省が取りまとめているデータによれば、「仕事や職業生活に関する強い不安、悩み、ストレスがある」労働者の割合は、50〜60%と、半数以上が訴えている結果が出ています(※1)。

また、「仕事や職業生活に関する強い不安、悩み、ストレスがある」原因については、以下のデータも出ています(※2)。

  • ① 職場の人間関係の問題:41.3%
  • ② 仕事の質の問題:33.1%
  • ③ 仕事の量の問題:30.3%
  • ④ 会社の将来性の問題:22.8%
  • ⑤ 定年後の仕事、老後の問題:21.1%
  • ⑥ 仕事への適性の問題:20.3%
  • ⑦ 昇進、昇給の問題:18.9%
  • ⑧ 雇用の安定性の問題:15.5%
  • ⑨ 配置転換の問題:8.6%
  • ⑩ 事故や災害の経験:2.1%

(※1)(※2)厚生労働省|職場における心の健康づくり

メンタルヘルスケアの重要性

心の健康問題を訴える従業員は増加傾向にあり、過去1年間にメンタルヘルス不調により連続1か月以上休業又は退職した労働者がいる事業所の割合は、約10%にわたるというデータもあります。

また、業務による心理的負荷を原因として精神障害を発症し、あるいは自殺したとして労災認定が行われる事案が近年増加し、社会的にも関心を集めています。自殺者総数が2万人を超えているなかで、労働者の自殺者数も7000人前後で推移しています。

心の病気を発症してしまった場合、以下の問題が生じることになります。

① 作業効率の低下
② 長期にわたる休業
③ 周囲の負担の増加・チーム全体の成果の低下
④ 職場の雰囲気・活力の低下

企業にとっても、従業員の心の健康問題を放置していれば、作業能率が低下するだけでなく、定着率の低下、さらには深刻な労働災害に発展するおそれもあるため、メンタルヘルス対策に取り組むようになってきています。最近では、メンタルヘルス対策に着手している事業所の割合は、約60%にわたるというデータもあります。

メンタルヘルス指針

国も、このような事態を受け止め、厚生労働省は「労働者の心の健康の保持増進のための指針」(メンタルヘルス指針、平成18年3月策定、平成27年11月30日改正)を定め、職場におけるメンタルヘルス対策を推進しています。

メンタルへする指針では、事業者は、自らがストレスチェック制度を含めた事業場におけるメンタルヘルスケアを積極的に推進することを表明するとともに、衛生委員会等において十分調査審議を行い、「心の健康づくり計画」 やストレスチェック制度の実施方法等に関する規程を策定することが求められています。また、「心の健康づくり計画」では、以下の事項を盛り込むことが求められます。

① 事業者がメンタルヘルスケアを積極的に推進する旨の表明に関すること
② 事業場における心の健康づくりの体制の整備に関すること
③ 事業場における問題点の把握及びメンタルヘルスケアの実施に関すること
④ メンタルヘルスケアを行うために必要な人材の確保及び事業場外資源の活用に関すること
⑤ 労働者の健康情報の保護に関すること
⑥ 心の健康づくり計画の実施状況の評価及び計画の見直しに関すること
⑦ その他労働者の心の健康づくりに必要な措置に関すること

メンタルヘルスケアでは、PDCAサイクルを回していくことが望ましいといえます。

そして、メンタルへスケアは、「セルフケア」、「ラインによるケア」、「事業場内産業保健スタッフ等によるケア」及び「事業場外資源によるケア」の「4つのケア」が継続的かつ計画的に行われることが重要とされています。

企業は、厚生労働省が推奨する以下の4つのステップを参考に、メンタルへスケアのPDCAサイクルを回していくことが求められます。

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