ポイント

  1. 契約書のタイトルには特段の法的効果はない
  2. 契約書のタイトルではなく、契約書の内容によって法的効果は異なる
  3. 契約書のタイトルに必要以上に拘らず、契約書の内容をチェックする必要がある

契約書のタイトルの法的効果

法律上、契約書のタイトルの決め方について特段のルールはありません。そのため、どのような名称の契約書にするかは当事者間で自由に決めることができ、また、契約書のタイトルと契約内容には直接の関係はありません。

なお、実務上、「●●契約書」というタイトルの書面よりも、「●●に関する覚書」「●●に関する念書」といったタイトルの書面の方が、契約としての効力・拘束力が弱い、という誤解が見受けられますが、「契約」とは、当事者間における権利・義務に関する合意をいい、契約の内容を書面化したものを「契約書」というため、当事者間で意思が合致した内容が書面化されていれば、タイトルのいかんにかかわらず、いずれも「契約書」に該当することとなります。

契約書のタイトルよりも内容が重要

したがって、「契約書」・「覚書」・「念書」といったタイトルの違いは、合意内容の効力に影響せず、法的に大きな問題はありません。

もっとも、実務上は、社内ルールによって、契約の交渉段階に応じて、各種書類のタイトルを選択するということもあるかと思います。

また、契約の細部の条件までは詰めていないものの、契約を検討するにあたっての骨子を整理した「基本合意書」などのタイトルを選択することもあるかと思います。

このような基準で契約書のタイトルを検討する場合には、契約の拘束力がどの程度まで及ぶのかの参考となることはあり得ます。

ただし、あくまでも契約書のタイトルのみで一義的に法的効果が決まるのではなく、契約書の内容がどの程度まで詳細に決められているのかということが重要になることを忘れないようにしましょう。

法務担当者としては、契約書のタイトルのみにこだわってしまい、肝心の契約書の内容を検討することを疎かにすることがないようにしていく必要があります。

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