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運送会社・運送事業者が押さえておきたい改正貨物自動車運送事業法のポイント

運送会社・運送事業者が押さえておきたい改正貨物自動車運送事業法のポイント

相談例

運送会社・運送事業者の業務改善を目的として、貨物自動車運送事業法が改正されたと聞いています。

改正貨物自動車運送事業法のポイントを教えてください。

解説

改正貨物自動車運送事業法の狙い

荷主の理解・協力を得て、トラックドライバーの働き方改革・法令遵守と労働条件の改善が進められるようにするため、貨物自動車運送事業法、同事業法施行規則、貨物自動車運送事業輸送安全規則等の改正が行われました。

貨物自動車運送事業法等の改正の背景には、トラック運送事業ではドライバー不足が深刻化しており、ドライバーの長時間労働の是正等の働き方改革を進め、コンプライアンスが確保できるようにする必要性があります。

こうした状況を踏まえ、①規制の適正化、②事業者が遵守できる事項の明確化、③荷主対策の深度化、④標準的な運賃の公示制度の導入を内容とする貨物自動車運送事業法等の改正が行われたものとなります。

改正貨物自動車運送事業法の施行時期

改正貨物自動車運送事業法の各施行時期は以下のとおりです。

  1. 規制の適正化:2019年11月1日から施行
  2. 事業者が遵守できる事項の明確化:2019年11月1日から施行
  3. 荷主対策の深度化:2019年7月1日から施行
  4. 標準的な運賃の公示制度の導入:2020年4月24日から告示

事業者が遵守すべき事項の明確化

輸送の安全に係る義務の明確化

トラックの点検や整備をしっかりと定期的に行わなければいけません。

事業の適確な遂行のため守るべき義務の新設

車庫をしっかり整備して、健康保険料などは法令に従って必ず納付しなければいけません。

規制の適正化

約款の認可基準の明確化

本来の運送業務とは別に、客先での荷待ちや追加的な作業がどのくらい発生しているのか「見える化」し、待機時間料、積込・取卸料など料金をしっかり受け取れるようにしなければいけません。

平成29年11月、標準運送約款が改正され、運賃と料金の区別が明確化されています。

「運送約款」には、運送の対価としての「運賃」と、運送以外のサービス(客先での荷待ちや荷役作業など)の対価としての「料金」を区別して受け取ることが明確に書かれていなければなりません。

事業計画の変更

車両台数に関わる事業計画を変更する場合には届け出又は認可を受けなければなりません。

事業許可の基準の明確化

トラックの点検や整備によって安全性を確保し、十分な広さの車庫や資金を備えなければいけません。

欠格期間の延長等

法令に違反して事業許可を取り消されたり、処分から逃れるために自主廃業したりした場合などで、新たに事業許可を受けることができるようになるまでの年数が長くなりました。

荷主対策の深度化

荷主の配慮義務の新設

トラック事業者が法令を守って仕事ができるよう、荷主も必要な配慮をすることが義務付けられました。

荷主勧告制度(既存)の強化

トラック事業者(軽自動車を使う事業者も含む)が法令違反をして、荷主にも原因がある場合には荷主名も公表され、法令違反行為を犯さずに済むよう荷主と交渉しやすくなりました。

国土交通大臣による荷主への働きかけ等の規定の新設

荷主に対して、一定の場合に国土交通大臣が関係行政機関と協力して働きかけ等を行うことができるようになりました。

標準的な運賃の告示制度の導入

「標準的な運賃の告示制度」は、一般にトラック事業者の荷主に対する交渉力が弱いことや、令和6年度から年間960時間の時間外労働の限度時間が設定されること等を踏まえ、運転者の労働条件を改善し、トラック運送業がその機能を持続的に維持していくに当たっては、法令を遵守して持続的に事業を行っていくための参考となる運賃を示すことが効果的であるとの趣旨により設けられたものです。

必要なコストを賄って事業を運営する際の参考となる標準的な運賃を国土交通大臣が定めて公表できるようになりました。2020年4月24日、一般貨物自動車運送事業に係る標準的な運賃の告示がなされています。

ご相談のケースについて

  1. 改正貨物自動車運送事業法の施行時期は、改正内容によって異なります。
  2. 改正貨物自動車運送事業法は、①規制の適正化、②事業者が遵守できる事項の明確化、③荷主対策の深度化、④標準的な運賃の公示制度の導入、の4つがポイントになります。

改正貨物自動車法は、①規制の適正化、②事業者が遵守できる事項の明確化、③荷主対策の深度化、④標準的な運賃の公示制度の導入を内容としています。

改正貨物自動車の内容を踏まえ、運送約款の見直しを進める必要があります。

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