はじめに

旧下請法は、改正により「取適法」として整理され、用語・対象取引・適用基準が大きく見直されています。従来の「親事業者」「下請事業者」という表現は、「委託事業者」「中小受託事業者」へ改められ、資本金基準に加えて従業員数基準、特定運送委託、価格協議への対応などが重要になっています。独占禁止法上の優越的地位の濫用とも重なり得るため、購買・外注・物流・システム開発・広告制作など幅広い部門で見直しが必要です。

Q&A

Q1:取適法はどのような取引に適用されますか。

製造委託、修理委託、情報成果物作成委託、役務提供委託に加え、一定の特定運送委託も対象となります。資本金基準だけでなく、従業員数基準にも注意が必要です。

Q2:禁止される行為は何ですか。

代金の支払遅延、正当な理由のない減額、返品、買いたたき、購入・利用強制、不当な経済上の利益提供要請、やり直し・内容変更の押し付け、違反申告を理由とする不利益取扱いなどが問題となります。

Q3:価格転嫁の場面で何が問題になりますか。

原材料費、人件費、物流費などが変動し、中小受託事業者が価格協議を求めたにもかかわらず、協議に応じない、必要な説明・情報を示さないまま一方的に代金を決めることは、取適法上の問題となり得ます。

解説

(1)用語と対象の更新

原稿中の「下請法」「親事業者」「下請事業者」「下請代金」は、公開時点に合わせて「取適法」「委託事業者」「中小受託事業者」「製造委託等代金」等に改めるのが適切です。ただし、読者の理解のため、初出では「旧下請法」と補足します。

(2)発注時の義務

委託事業者は、給付内容、代金額、支払期日、支払方法その他の事項を、書面又は電磁的方法により明確に示す必要があります。支払期日は、給付を受領した日から60日以内かつできる限り短い期間内で定めます。手形や電子記録債権など、期日までに現金化しにくい支払手段の利用にも注意が必要です。

(3)独禁法との関係

取適法の対象外であっても、取引上の力関係を利用して一方的な不利益を課す場合、独占禁止法上の優越的地位の濫用が問題となることがあります。取引先の規模だけで形式判断せず、価格決定、返品、協賛金、システム利用料、物流費負担、協議記録の有無を総合的に確認します。

弁護士に相談するメリット

弁護士は、委託取引の棚卸し、取適法の適用判定、発注書・基本契約書・支払条件・価格改定条項の点検、社内チェックリストの作成を支援できます。公正取引委員会・中小企業庁への対応、取引先からの申入れ、価格転嫁交渉、再発防止策の策定についても、法的リスクと取引継続のバランスを踏まえた助言が可能です。

まとめ

取適法対応では、単に「旧下請法」の名称を置き換えるだけでは足りません。対象取引、用語、従業員数基準、特定運送委託、価格協議、支払手段、発注時明示事項を確認し、購買・外注・経理・物流部門に共通する運用ルールとして整備することが重要です。


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