はじめに
法人が経営困難に陥り破産手続きに進む場合、その影響は法人だけでなく、関係者にも広がります。特に「連帯保証人」は、法人が返済不能となった場合に大きな責任を負う立場となります。そこで今回は、法人破産における連帯保証人の法的責任やリスクを軽減するための具体策について解説します。また、弁護士に相談することで得られるメリットについても紹介します。
Q&A
Q: 法人破産が連帯保証人にどのような影響を及ぼしますか?
A: 法人破産が行われると、連帯保証人は法人が返済できなかった債務を全額返済する責任を負います。この責任は法的な契約に基づくものであり、破産手続きの進行とは独立して発生します。ただし、連帯保証人が必ずしも全ての責任を負うわけではなく、適切な対策を講じることで負担を軽減する方法もあります。
法人破産における連帯保証人の法的責任
連帯保証人とは?
連帯保証人は、主債務者である法人と「連帯」して債務を負う契約を結んだ者を指します。連帯保証契約では、以下の特徴があります。
- 債務者と同様に債務の返済義務を負う
債権者は、法人の破産手続きに関係なく、連帯保証人に直接請求する権利を持ちます。 - 抗弁権の喪失
通常の保証人が有する「催告の抗弁権」や「検索の抗弁権」を失い、法人が返済不能であるかどうかに関わらず請求を受けます。 - 主債務の全額負担
連帯保証人は、法人の負債総額に基づく請求を一括で受ける可能性があります。
法人代表者が連帯保証人になるケース
法人の代表者が、金融機関や取引先との契約時に連帯保証人となることが一般的です。この場合、法人が破産すると、代表者個人に多額の債務が請求される可能性があります。
第三者が連帯保証人になるケース
親族や取引関係者が連帯保証人となるケースもあります。この場合、法人の破産後に第三者へ債務が請求されるため、想定外の経済的負担を強いられるリスクがあります。
連帯保証人のリスクを軽減するための対策
保証人契約の見直し
法人が借入を行う際、連帯保証契約を慎重に検討することが重要です。場合によっては、代表者や第三者が保証人にならない条件での契約を交渉することも可能です。
債務整理の選択肢を検討する
法人破産以外にも、以下の選択肢を検討することで、連帯保証人への影響を軽減できます。
- 民事再生手続き
法人が事業を継続しながら再建を図る手続きであり、債権者との和解による負担軽減が期待できます。 - 任意整理
債権者と交渉し、返済条件を緩和する方法です。
保証人の解放を目指す
破産前に保証人を解放するため、以下の対策を検討することが可能です。
- 借り換えによる保証人の削除
返済条件を変更する際に保証人を除外するよう交渉します。 - 法人の資産整理
売却可能な資産を処分し、負債の一部を弁済することで、保証人の負担を軽減します。
破産後の手続きに備える
法人破産後、連帯保証人は債務を返済する責任を負いますが、個人破産を選択することで債務の免責を得ることが可能です。
弁護士に相談するメリット
法律的なリスクの回避
弁護士は、法人破産手続きや連帯保証人の法的責任について適切なアドバイスを提供します。不正な借り換えや詐欺罪に問われるリスクを回避するためにも、専門家の意見を求めることが重要です。
交渉力の提供
弁護士は、債権者との交渉を代行し、連帯保証人の負担を軽減するための最適な条件を引き出します。
手続きのスムーズな進行
破産申立書の作成や債権者対応など、煩雑な手続きを一括でサポートします。これにより、当事者は精神的負担を軽減することができます。
最適な解決策の提案
破産以外の選択肢がある場合、弁護士はそれを提示し、法人と保証人双方にとって最良の解決策を提案します。
まとめ
法人破産における連帯保証人の責任は重大ですが、事前に対策を講じることでリスクを軽減することが可能です。保証契約の見直しや法的手続きの適切な進行は、保証人の負担を大きく軽減します。弁護士法人長瀬総合法律事務所では、法人破産に関する経験と専門知識を基に、最適な解決策を提供しています。お悩みの方はぜひお早めにご相談ください。
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