Q&A
Q: 売掛金が回収できず困っています。裁判を検討していますが、最も気をつけるべきことは何ですか?
A: 裁判で勝つことは重要ですが、最も大切なのは「相手の財産を把握できているかどうか」です。判決が出ても、それだけでは回収は実現しません。財産の特定や差押えの準備をすることがポイントです。
債権回収を成功させるための基礎知識
財産調査の重要性
裁判所は判決文を発行するだけで、債権の回収自体を行うわけではありません。そのため、相手の財産を把握することが最も重要なポイントです。財産の所在が明らかでない場合、判決を取得しても差押えができず、実質的な回収が困難になる可能性があります。
差押えしやすい財産の種類と調査方法
不動産
- 調査方法
本店所在地や代表取締役の住所地の不動産情報を法務局で取得できます。代表取締役の住所が不明な場合、会社の「履歴事項全部証明書」を取り寄せて住所を特定することが可能です。 - 注意点
不動産に先順位の担保が設定されている場合や既に差押えが行われている場合には、回収が難しくなることがあります。
預金口座
- 必要情報
銀行名と支店名が分かれば差押えが可能です。ただし、口座に十分な現金があるか検討することが重要です。
売掛金
- 必要情報
相手の会社名や売掛金を特定するための契約書や請求書などの基本情報が必要です。 - 効果
売掛金差押えは会社の運営に大きな影響を与えるため、交渉材料としても有効です。
裁判以外の選択肢
相手の財産が特定できない場合や、回収の見込みが薄い場合、以下の代替手段を検討することをお勧めします。
- 分割払いの合意:
一括払いが困難な場合、分割払いを提案することで現実的な回収を目指します。 - 一部免除での残金回収:
一部の債権を免除する代わりに、残額を確実に回収する方法です。 - 貸倒損失処理:
税務上の損失として処理することで、経営上の負担を軽減します。
弁護士に相談するメリット
- 財産調査のサポート:
弁護士は法務局や金融機関への調査手続きを効率的に進めることができます。 - 最適な解決策の提案:
客観的な視点で、裁判と交渉のどちらが最適かを判断します。 - 交渉力の強化:
専門家の助言により、相手との交渉を有利に進めることができます。
裁判に進む前に確認すべきポイント
- 相手の財産情報を正確に把握しているか。
- 裁判以外の選択肢について検討済みか。
- 弁護士への相談を行い、具体的な戦略を立てているか。
まとめ
債権回収で裁判を行う際には、相手の財産を把握することが成功への第一歩です。それに加え、裁判以外の選択肢を検討することも、経営にとって重要な判断になります。困った際には、弁護士法人長瀬総合法律事務所までご相談ください。専門家が、あなたの経営を守るために最適な解決策を提案いたします。
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