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長瀬総合法律事務所 ホーム 顧問弁護士の活用事例 【製造業】休憩時間中の業務対応は労働時間にあたるのか
当社における労働者の休憩時間の扱いについて教えてください。
労働基準法では、6時間を超えて働く労働者には休憩時間を与えることが義務付けられています。
しかしながら、当社側が休憩時間を与えているにも関わらず、従業員の中には休憩を取らずに労働を行なっている場合も散見されます。会社としては、このような休憩時間中の業務対応を、どのように評価すればよいのでしょうか。
休憩時間の取り扱いや、運用上の注意点について教えてください。
ご相談の件ですが「休憩時間中の業務が「実労働時間」に該当するかどうか」が問題となります。
労働時間とは、使用者の指揮命令下で、労働力を提供した時間をいいます。
一方、休憩時間とは、勤務時間の途中で、従業員が精神的、肉体的に一切の労働から離れることを保障されている時間をいい、労働時間には含まれず(労基法32条)、賃金支払い義務の対象とはなりません。
したがいまして、休憩時間中に従業員に対して会社側から業務をするよう指示していないのであれば、「使用者の指揮命令下で」労働力を提供したとはいえないことから、実労働時間には該当しないことになります。
ご質問の件でも、原則として休憩時間を実労働時間として扱う必要はないということになります。
ただし、会社側から明示的に業務をするよう指示していないとしても、実態として休憩時間中も業務を指示していることと変わらないと評価される場合には(例:休憩時間中に会社の荷物を受け取るよう待機を指示したり、電話対応やメール対応をするよう指示している場合等)、休憩時間であっても実労働時間に該当すると解されることがあります。
以上を整理すると、
休憩時間は原則として実労働時間に該当しないものとして扱うことができますが、会社の業務実態によっては休憩時間も実労働時間に該当する可能性がある
ということになります。
休憩時間を実労働時間に該当しない運用とする場合には、休憩時間中に業務対応のために待機する必要などもないようにご留意いただく必要があります。
なお、「休憩時間中の待機対応と労働時間」というテーマで、同種の問題の留意点について弊所WEBサイトでも整理しておりますので、お手すきの際にご一読いただけますと幸いです。
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