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解雇された場合の失業保険の扱い|受給条件・計算方法・手続きのポイント

はじめに

突然の解雇に直面すると、将来の収入について不安を感じる方が多いでしょう。特に、家族を養っている方や住宅ローンを抱えている方にとっては、解雇は深刻な問題です。解雇後にどのように生活費を確保するかを考える上で、失業保険がどのように支給されるかを理解しておくことは重要です。この記事では、解雇後の失業保険について、受給資格や手続きの流れ、注意すべきポイントを解説します。

Q&A

Q: 解雇された場合、失業保険はもらえるのでしょうか?

A: 解雇された場合でも、一定の条件を満たせば、失業保険を受給することが可能です。受給資格は、勤務期間や退職の理由によって異なります。また、失業保険の給付額や支給期間も、解雇の種類によって変わるため、詳細な理解が求められます。この記事では、解雇後の失業保険の基本的な仕組みから手続き方法まで解説します。

解雇とは?

まず、解雇とは何かを理解しておくことが重要です。解雇は、雇用主が労働者との雇用契約を一方的に解除することを指します。解雇には、主に以下の4つの種類があります。

  1. 普通解雇
    能力不足や職務態度の問題など、一般的な理由で行われる解雇です。普通解雇の場合、通常は会社都合退職として扱われます。
  2. 懲戒解雇
    労働者が重大な規律違反を犯した場合に行われる解雇です。例えば、会社の資産を横領したり、長期間の無断欠勤を繰り返したりした場合が該当します。懲戒解雇の場合、自己都合退職として扱われ、失業保険の受給条件が厳しくなります。
  3. 諭旨解雇
    懲戒解雇に相当する重大な違反行為があったものの、労働者に退職を促す形で行われる解雇です。諭旨解雇の場合も、自己都合退職として扱われることが多いといえます。
  4. 整理解雇
    会社の経営上の理由で行われる解雇で、業績不振や事業縮小などが原因となります。整理解雇は、通常、会社都合退職として扱われます。

失業保険の受給条件とは?

失業保険を受け取るためには、「失業」状態であることが前提となります。ここでいう「失業」とは、雇用保険法に基づき、「働く意思と能力があるが、職を得られない状態」を指します。そのため、健康上の問題や妊娠、出産などで働くことができない場合は、失業保険の対象外となります。

受給資格の具体的な条件

  1. 会社都合退職者
    離職日以前の1年間に、被保険者期間が通算して6カ月以上あることが必要です。会社都合退職者とは、倒産や解雇など、従業員が再就職の準備をする時間的余裕がない状況で離職を余儀なくされた場合を指します。
  2. 自己都合退職者
    離職日以前の2年間に、雇用保険の被保険者期間が通算して12カ月以上あることが必要です。自己都合退職とは、従業員が自らの意思で退職する場合や、軽微な違反行為による解雇などが該当します。
  3. 特定理由離職者
    自己都合退職でも、正当な理由(心身の障害や妊娠・出産など)がある場合は、特定理由離職者として会社都合退職者と同等の扱いを受けます。この場合、離職日以前の1年間に被保険者期間が通算して6カ月以上あれば、失業保険を受給できます。

失業保険はいつから受け取れる?

失業保険は、ハローワークで求職の申し込みを行った日から7日間の待機期間を経た後に支給が開始されます。しかし、自己都合退職者の場合、さらに2カ月から3カ月の給付制限期間が設けられるため、この間は失業手当を受け取ることができません。

待機期間と給付制限期間

失業保険はいくらもらえるのか?

失業保険の受給額は、「所定給付日数」と「基本手当日額」によって決まります。所定給付日数は、離職理由や被保険者期間、年齢によって異なり、基本手当日額は退職前6カ月の平均賃金を基に計算されます。

基本手当日額の計算方法

賃金日額や基本手当日額には、上限額と下限額が定められており、例えば、賃金日額が45歳以上の労働者の場合、最大で1日あたり8,355円が支給されます。

必要な手続き

失業保険を受給するためには、以下の手続きを行う必要があります。

  1. 離職票の取得
    退職後、会社から「離職票1、2」が送られてきます。これを受け取るまでに10日から2週間程度かかることが一般的です。
  2. ハローワークでの手続き
    離職票と、雇用保険被保険者証、マイナンバーカード、本人確認書類、証明写真などを持参し、ハローワークで求職の申込みを行います。
  3. 求職活動
    ハローワークでの求職活動が求められ、初回の認定日までに、少なくとも1回(会社都合退職者)または2回(自己都合退職者)の求職活動が必要です。
  4. 失業認定日
    初回の「失業認定日」は、受給資格決定日から約4週間後に設定されます。この日にハローワークで失業認定を受け、失業手当の支給が開始されます。

失業手当受給中のアルバイト

失業手当の受給中にアルバイトを行うことは可能ですが、いくつかの注意点があります。

  1. 待機期間中のアルバイト
    待機期間中にアルバイトを行うと、受給開始が遅れる可能性があるため、避けることが推奨されます。
  2. 労働時間の制限
    週20時間未満の労働かつ、同一事業主での雇用見込みが30日以内であることが条件です。これを超えると、失業保険の受給資格を失う可能性があります。
  3. 申告義務
    アルバイトを行った日は、必ずハローワークに申告する必要があります。申告を怠ると、不正受給とみなされ、今後の失業手当が停止される可能性があるため注意が必要です。

解雇に納得がいかなければ?

解雇が不当であると感じた場合、弁護士に相談することで法的に争うことができます。例えば、労働基準法や労働契約法に違反する解雇は「不当解雇」とされ、無効となる可能性があります。不当解雇が認められれば、復職や賃金の支払いを求めることが可能です。

仮給付の利用

不当解雇の争いが続く間も、失業保険の「仮給付」を受けることができます。ただし、仮給付を受けた後に解雇が無効とされ復職した場合には、支給された失業保険を返還しなければならないこともあるため、注意が必要です。

まとめ

失業保険は、解雇後の生活を支えるための重要な制度です。しかし、受給するには条件や手続きが必要であり、不当解雇に対しては法的な対応が求められる場合もあります。

本記事が失業保険で悩む方にとってご参考となれば幸いです。


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