ポイント

  1. 担保権には、大きく物的担保と人的担保の2つがある
  2. 物的担保(抵当権)を活用することで、平時から債権管理ができる
  3. 物的担保(抵当権)を利用する際には、3つのポイントに留意する

担保権の分類

債権管理の予防策として、担保権を設定するという方法も考えられます。

担保権は、大きく分けて、①物的担保と②人的担保に整理することができ、さらに①物的担保は、典型担保物権と非典型担保物権に分類することができます。

担保権の分類を整理すれば、以下のとおりです。

抵当権の利用

物的担保の中でも、実務上よく活用される担保権として、抵当権が挙げられます。

抵当権とは、債務の担保に供した物について他の債権者に先立って自己の債権の弁済を受ける権利をいいます(民法369条以下)。

抵当権を利用した場合の効果として、以下の一例を挙げることができます。

例)

債権者(A)の債務者(B)に対する被担保債権2000万円を担保するために、B所有の不動産(時価1500万円)に抵当権を設定する

2000万円のうち、1500万円の債権管理の可能性を高めることが可能

抵当権の利用上の留意点

抵当権を利用する際には、以下の3つに留意する必要があります。

  1. 担保に設定する不動産の選定
  2. 最新の不動産登記簿謄本の取得・確認
  3. 現地調査・物件調査

担保に設定する不動産の選定

抵当権は、不動産に設定することになりますが、被担保債権の回収を図ることができるだけの資産価値のある不動産かどうかを事前に確認する必要があります。

最新の不動産登記簿謄本の取得・確認

また、不動産自体の資産価値に問題はないとしても、抵当権を設定する直前に、他の債権者から差押を受けてしまい、抵当権を設定しても優先的に回収できなくなってしまう場合もあり得ます。

そこで、抵当権を設定する際には、必ず抵当権設定契約を締結する直前に再度再審の不動産登記簿謄本を取得し、他の債権者から差押等を受けていないかどうかを確認する必要があります。

現地調査・物件調査

さらに、不動産登記簿謄本等の書類上には問題がなかったとしても、実際には抵当権の対象となる不動産を第三者が占拠していたり、不法投棄等をされたりしている場合もあり得ます。

したがって、抵当権を設定する前に、現地調査や物件調査を行っておくことが無難といえます。

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