ポイント
- コンプライアンスリスクの予防策は、5つのポイントがある
- コンプライアンスリスクの予防策を講じることで、深刻な不祥事の発生を防止できる
コンプライアンスリスクの予防策は、以下の5つが挙げられます。
組織文化の見直し
残念ながら、不祥事は同じ企業が繰り返す傾向にあります。
同じ企業が不祥事を繰り返す原因としては、当該企業の組織内における常識が、一般常識と乖離している傾向にあることが挙げられます。言い換えれば、当該企業の組織内に広がった常識が、一般常識とズレが生じないように修正していくことが求められるといえます。
そこで、組織内だけでなく、外部に対しても組織内の行動指針を公表できるだけの健全な風土を育てる必要があるといえます。
事なかれ主義の脱却
不祥事が起きたときに、責任を問われることを恐れて不祥事を隠すことは、最も避けるべき対応の一つといえます。不祥事を隠せば隠すほど、解決の機会を失うことになりますし、また、不祥事を隠し続けるほど、発覚した際のダメージは大きくなります。不祥事を隠してきたということへの倫理的批難も避けられないことになります。
不祥事を隠すことは、企業としての改善の機会を失うだけでなく、そのリスクをより拡大するだけに過ぎないということをはっきりと自覚しておく必要があります。
原因の究明
不祥事が発生した場合には、不祥事を隠すのではなく、不都合な事態にこそ目を向ける必要があります。
そして、不祥事の原因究明の目的は、「個人の責任追及」ではなく「再発防止」にこそあります。不祥事の原因は、「人」から起きることがあっても、その「人」の責任をいくら追及しても、再発を防止することにはつながりません。「人」ではなく、「出来事」に注目することで、不祥事の原因を究明し、再発防止につなげることが可能となります。
再発防止体制の構築
不祥事の原因を究明した後には、事前と事後の管理による再発防止体制を構築する必要があります。
再発防止体制を構築する際には、まず、企業内部の監査体制を整備し、不祥事につながりうる出来事を事前に察知できるようにするとともに、不祥事が発覚した後の報告窓口を企業内部に整備し、不祥事発覚後に可及的速やかに対処できるようにしておく必要があります。
開かれた組織の必要性
不祥事防止のための体制整備をしたとしても、不祥事が発生する現場からの報告が経営層にまで届かなければ、不祥事の防止を十分に実現することはできません。また、不祥事の原因は、前記のとおり、一部門だけの問題ではなく、①ガバナンス面、②マネジメント面、③プロセス面、と多岐にわたります。不祥事の再発防止を徹底するためには、従業員と経営層という縦の関係だけでなく、部門間(たとえば営業部と法務部等)同士の横の関係でも、柔軟に連携をとることができる体制を構築することが求められます。
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