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会社の組織 公開会社・非公開会社と上場会社・大会社の意義

会社の組織 公開会社・非公開会社と上場会社・大会社の意義

相談事例

自動車部品の下請けメーカーである当社は、いわゆる中小企業として事業を営んでいますが、会社法関係のトラブルにあったため会社法を確認したところ、「公開会社」「非公開会社」「大会社」といった用語が並んでおり、何がどう違うのかわかりません。

当社の規模を考えると「非公開会社」であり、「大会社」にも当たらないかと思いますが、それぞれの用語の意味や関係について教えてください。

回答

「公開会社」とは、発行株式のどれか一部についてでも譲渡制限を定めていない会社をいい、「非公開会社」とは、発行株式全部について譲渡制限を定めている会社をいいます。なお、公開会社=上場会社、非公開会社=非上場会社ではないことに注意が必要です。

また、「大会社」とは、最終事業年度に係る貸借対象表に計上された資本金の額が5億円以上又は負債の額が200億円以上である会社をいいます。

日本の会社の大半を占める中小企業は、非公開会社であり、かつ大会社に該当しないものが通常であることから、会社法上の機関設計も「非公開会社」かつ非「大会社」を基本型としつつ、「大会社」「公開会社」にはその特則を定めることとしています。

解説

公開会社・非公開会社の意義

「公開会社」とは、発行する株式のどれか一部についてであっても定款で譲渡制限を定めていない会社をいいます(会社法2条5号)。

これに対して「非公開会社」とは、発行する株式全てについて譲渡制限のある会社をいいます。

非行会社は、所有と経営が必ずしも分離しておらず、経営の閉鎖性が認められることから、取締役会の設置が原則任意とされていたり(会社法326条)、株主総会招集通知の発送期限が公開会社の場合よりも短縮されているなど、定款自治が広範に認められ、所有者である株主による経営への関与が柔軟に認められているという違いがあります。

公開会社と上場会社の関係

上場会社について、会社法上特段の定義はありませんが、一般に上場会社とは、金融商品取引所に株式を公開している会社のことをいいます。

前述のとおり、「公開会社」とは、発行する株式の一部についてであっても譲渡制限のない会社をいいますので、上場会社と公開会社とはイコールの関係には立ちません。

具体的には、上場会社であれば必ず公開会社ですが、公開会社は必ずしも上場会社であるとは限りません。

たとえば、上場のために株式の譲渡制限を外し公開会社となったものの、上場前であれば公開会社であっても上場会社ではない(すなわち、公開会社かつ非上場会社)こととなります。

なお、大規模な非上場会社は多数存在しており、上場か非上場かは企業規模とは直接の関係はありません。

大会社の意義

「大会社」とは、最終事業年度に係る貸借対照表上に計上された資本金の額が5億円以上、又は負債の額が200億円以上である会社をいいます(会社法2条6号)。

日本の会社の多数を占める中小企業は、非公開会社であり、かつ大会社に該当しないものが通常であることから、会社法上の機関設計も「非公開会社」かつ非「大会社」を基本型としつつ、「大会社」「公開会社」にはその特則を定めることとしています。

大会社は、一般に規模が大きく、株主や債権者等の利害関係者も多数に上るため、こうした利害関係社を保護すべく、以下のような特別の義務が課されています。

  1. 会計監査人の設置義務(会社法328条1項、2項)
  2. (公開会社である場合)監査役会、監査等委員会又は指名委員会等の設置義務(会社法328条1項)
  3. 内部統制組織の整備義務(会社法348条4項、362条5項)
  4. (有価証券報告書提出会社の場合)連結計算書類の作成義務(会社法444条3項)

参考文献

江頭憲治郎「株式会社法第6版」(株式会社有斐閣)

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