はじめに
Q: 建物賃貸借契約が終了したのに借主が退去しない場合、どうしたらいいですか?
A: まず、契約終了後の対応には正当な理由が求められます。正当事由が認められる場合、交渉や調停、さらには裁判を通じて借主の退去を求めることが可能です。本記事では、具体的な対応手順や正当事由の考え方をわかりやすく解説します。
建物賃貸借契約における基本ルール
普通建物賃貸借契約の更新に関するポイント
通常の賃貸借契約では、契約期間が終了しても自動的に契約が終了するわけではありません。終了させるためには、以下の手続きが必要です。
- 契約期間終了の6ヶ月以上前に、更新しない旨を通知すること。
- 契約終了には、賃貸人側における正当事由が必要となります。
正当事由は以下の要素を総合的に判断して決定されます。
- 賃貸人自身の建物利用や建て替えの必要性。
- 賃借人の建物利用の必要性。
- 建物の利用状況や過去の契約経緯。
- 立退料の提供可能性など。
正当事由と立退料
裁判では、立退料の支払いや正当事由の充足度が明渡しの可否を左右します。具体的な算定方法として、以下が一般的です。
- 借家権価格+通損補償額=立退料
- または、(借家権価格+通損補償額)×正当事由の程度=立退料
正当事由の充足度が低い場合、立退料を高額に設定しても退去が認められないケースもあるため、慎重な対応が必要です。
実践的な解決手順:4ステップ
- 専門家と相談し戦略を策定する
まず、弁護士に相談し、適切な対応方針を立てます。この時点では、弁護士が代理を務める必要はありません。 - 契約終了通知を送付する
賃借人に対して、契約期間終了と退去を求める通知を送ります。通知は契約終了6ヶ月前までに行う必要があります。退去に合意が得られた場合、合意書を作成して手続き終了となります。 - 立退料交渉を行う
賃借人が退去を拒む場合、立退料を提示して合意を目指します。この段階で弁護士が代理を務めるケースが増えます。 - 裁判所での調停または裁判手続き
合意が得られない場合、裁判所に調停または裁判を申立てます。最終的には和解案や判決に基づき問題を解決します。
弁護士に相談するメリット
- 専門知識による最適な戦略の提案
複雑な法律論点を整理し、最も効果的なアプローチを提案します。 - 交渉や裁判での代理対応
法律の専門家として、賃貸人の権利を最大限に守る交渉を行います。 - リスク回避のサポート
法律に基づいた手続きで、余計なトラブルを防ぎます。
まとめ
建物賃貸借契約の終了後、借主が退去しない場合、正当事由や立退料の交渉が重要なポイントとなります。弁護士法人長瀬総合法律事務所では、これらの問題に対し専門的なアドバイスを提供し、円滑な解決をサポートいたします。
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