はじめに

Q&A

Q. 会社の破産準備中に、資産を譲り受けることは可能でしょうか?

A. 会社が破産手続に入る前後では、資産の譲受けに慎重な対応が求められます。資産譲受けが適切に行われるためには、破産管財人との調整や事前準備が重要です。本稿では、資産譲受けの流れや注意点について、具体的な事例を交えながら分かりやすく解説します。

破産手続における資産譲受けの基本的なルール

破産手続の準備中、特に営業中の会社において、資産譲受けの希望が寄せられるケースがあります。しかし、資産の処分は「財産保全義務」に違反する可能性があるため、破産手続開始後に管財人を通して行うのが原則です。

財産保全義務とその背景

会社の代表者や関係者が破産申立前に資産を処分すると、債権者の権利が害されるリスクがあります。そのため、破産手続を通じて適正な手続を踏む必要があります。

破産管財人を通じた適正な資産譲受けの手順

破産管財人の職務とは?

破産管財人は、会社資産を最大限に活用して債権者への配当を増やす役割を担っています。そのため、管財人を通じて譲受けを希望する資産の価値を示すことが重要です。

手順

  1. 資産価値の事前調査
    中古品を扱う業者などから複数の査定を取得し、資産の市場価値を確認します。
  2. 申立後の打ち合わせ
    破産申立後に管財人と面談し、査定額を基に譲受け希望を伝えます。
  3. 客観的資料の提示
    他業者の査定額を超える金額での購入意向を示すことで、譲渡の可能性が高まります。

査定を活用したスムーズな譲受け方法

破産手続において、内部関係者が資産を譲り受けることには慎重さが求められます。しかし、査定を活用して市場価値を証明することで譲受けが可能になるケースがあります。

実際の事例

  • 古い車両の譲受け
    年式が古く、中古車市場で値段がつかないとされた車両について、低額で代表者が譲り受けた事例があります。

資産譲受けが難しい場合の対応策

在庫商品やオフィス機器を業者に一括処分する場合、個別の譲受けが難しいケースもあります。このような場合には、管財人と事前に相談することで、可能性を探ることが重要です。

弁護士に相談するメリット

  1. 法的リスクの回避
    弁護士は、財産保全義務違反などの法的リスクを回避するためのアドバイスを提供します。
  2. スムーズな交渉の実現
    破産管財人との調整や、適正な手続を踏むための準備をサポートします。
  3. 客観的な資料作成の支援
    査定結果や申立資料の作成において、弁護士の専門知識が役立ちます。

まとめ

会社資産の譲受けを適切に行うには、破産管財人との調整や事前準備が欠かせません。また、弁護士に相談することで、法的リスクを回避し、スムーズな資産譲受けを実現できます。

弁護士法人長瀬総合法律事務所では、破産手続に関するご相談を承っています。資産譲受けに関してお悩みの際は、ぜひお気軽にお問い合わせください。

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