はじめに

法人が破産申立てを行う場合、法人名義で保有している財産は破産財団に組み入れられ、管財人の管理下に置かれます。その中でも法人名義の自動車は、企業の業務に欠かせない重要な資産である一方、個人利用との混同が起こりやすい物品でもあります。本稿では、法人破産における法人名義の自動車の扱い、またその購入を希望する場合の具体的な対応方法について解説します。さらに、弁護士に相談するメリットについてもご紹介します。

Q&A形式で解説

Q: 法人破産手続が始まると、法人名義の自動車はどうなりますか?

A: 法人名義の自動車は、法人の財産として管財人の管理下に置かれます。リース物件の場合は所有者である業者に返却され、法人所有の場合は市場価値に応じて売却されます。ただし、市場価値が低い車両については、特定の手続きを経て買い取ることが可能な場合があります。

法人名義の自動車の扱い

法人名義の自動車は、法人の財産として破産手続の一部に組み込まれます。以下の状況に応じて異なる取り扱いがなされます。

  • リース契約車両の場合
    自動車がリース物件であれば、所有権はリース会社にあるため、破産手続中に返却されるのが一般的です。
  • 法人所有車両の場合
    法人が所有権を持つ自動車は、破産財団に組み入れられ、売却されて債権者への配当原資とされます。ただし、古い車両や市場価値の低い車両については特例的な扱いを受けることがあります。

法人名義の自動車の購入を希望する場合の対応方法

法人名義の自動車を個人または法人として買い取りたい場合、以下の手順が推奨されます:

  1. 査定の取得
    破産申立て前に、中古車販売業者から車両の査定を取得します。可能であれば複数業者に依頼し、適正価格を把握します。
  2. 管財人への引き継ぎ
    取得した査定書を管財人に提出し、車両の価値を適切に伝えます。査定価格をもとに管財人との交渉がスムーズに進む場合があります。
  3. 適正価格での購入交渉
    管財人は、債権者への配当を最大化するため、適正な価格での売却を重視します。そのため、査定価格より高めの提示を行うことで交渉成立の可能性が高まります。
  4. 必要書類の準備
    買い取りに必要な書類(身分証明書や購入希望者の契約書案など)を迅速に整え、手続の遅延を防ぎます。

弁護士に相談するメリット

破産手続における自動車の取り扱いは、法的な知識と経験が求められる場面が多く存在します。弁護士に相談することには以下のようなメリットがあります:

  1. 専門的なアドバイス
    弁護士は、破産法や契約法に基づいた適切なアドバイスを提供します。特に、財産の取り扱いや交渉の進め方において有益です。
  2. 迅速な対応
    査定の取得や管財人との連絡、必要書類の整備などを効率的に進めるサポートを受けられます。
  3. 交渉力の向上
    弁護士が関与することで、管財人との交渉がスムーズに進む可能性が高まります。特に、適正価格の提示や手続の正確さをアピールする際に有利です。
  4. リスク管理
    法律の専門家に依頼することで、法的リスクや手続上のミスを防ぎ、希望する結果に近づけます。

まとめ

法人破産において、法人名義の自動車は重要な財産として扱われ、原則として管財人の管理下に置かれます。しかし、事前準備や適切な交渉を行うことで、購入が可能な場合もあります。特に、市場価値が低い車両については特例が認められることが多いため、専門的な知識を持つ弁護士に相談することが有効です。弁護士法人長瀬総合法律事務所では、破産手続全般にわたるサポートを提供しています。ぜひお気軽にご相談ください。

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