はじめに

Q:「訓告」とは何ですか?他の懲戒処分とどう違いますか?

A:「訓告」とは、会社が従業員に対して行う最も軽い懲戒処分の一つであり、口頭または書面での注意を意味します。主に就業規則に違反した従業員に対し、問題行動の改善を促すために用いられます。一般的な注意や指導と異なり、正式な懲戒処分にあたるため、記録に残る点が異なります。他の処分である「戒告」や「譴責」などと比べると、訓告はより軽度の処分として位置づけられますが、内容は会社の規則によって異なることがあります。

1.訓告とは?

訓告とは、会社の秩序を乱す規律違反をした従業員に対し、口頭または文書で注意を行う懲戒処分の一つです。多くの会社で、就業規則に定められている懲戒処分の中で最も軽いものとされています。たとえば、遅刻や無断欠勤、業務命令に従わない行為など、軽度な規律違反が繰り返される場合に、注意指導の一環として訓告が行われます。

2.訓告はどのように就業規則で定められているか?

多くの会社では、訓告に関する規定が就業規則に明記されています。これに基づき、従業員に対して正式な警告が行われ、改善が見られない場合に、次の段階として「減給」や「出勤停止」といったより重い処分が課されることがあります。場合によっては、訓告を受けた従業員に対し、反省の意思を示す「始末書」の提出を求めることもあります。

3.訓告と他の懲戒処分との違い

会社によっては、訓告以外にも「戒告」、「譴責」、「厳重注意」といった懲戒処分が定められていることがあります。これらの違いは以下の通りです。

  • 訓告:最も軽い処分であり、口頭や文書での注意にとどまる場合が多い。
  • 戒告:訓告とは実質的に同等の懲戒処分。
  • 譴責:文書での厳しい叱責と、始末書の提出が義務付けられる処分。訓告とは実質的に同等の懲戒処分とされることもある。
  • 厳重注意:文書での厳しい警告が行われ、今後の違反行為に対して強い戒めがなされます。

これらの処分は、会社の就業規則に基づいて実施されるため、名称や内容は企業によって異なることがあります。

4.訓告を行う際の法的注意点

訓告を含む懲戒処分は、労働契約や就業規則に基づいて行われる必要があります。また、処分が従業員の行為に対して過度に重い場合や、手続きが不当である場合には、無効とされる可能性があります。日本の労働契約法では、懲戒処分を行う際には、合理的な理由があり、社会的通念に照らして妥当であることが求められます。

5.訓告が従業員に与える影響

訓告処分を受けた従業員は、その後の昇給や賞与に影響を受けることがあります。人事評価において、訓告を受けた事実が考慮され、昇進の機会が制限される場合もあります。また、同じ違反行為を繰り返した場合、次の段階としてより重い処分が科されることになります。

6.弁護士に相談するメリット

Q:訓告や懲戒処分に関して弁護士に相談する必要があるのはどんなときですか?

A:弁護士に相談することで、訓告や懲戒処分が適切に行われているか、法的に問題がないかを確認できます。特に、懲戒処分が労働契約や就業規則に基づいているか、処分の内容が過度でないかについて、弁護士は専門的な助言を提供します。また、処分に伴うトラブルを未然に防ぐためのアドバイスも受けられるため、企業にとっても従業員にとっても法的リスクを回避することができます。

まとめ

訓告は、会社が秩序を保つために行う重要な懲戒処分の一つです。適切な手続きを踏まえ、労働契約や就業規則に則った形で行うことが求められます。処分が不当な場合には法的な問題となる可能性もあるため、企業側も従業員側も、正確な理解と慎重な対応が必要です。

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