残業代を算定・請求する場合のチェックポイント
Q:残業代について、どのような点に注意すべきですか?
A:残業代とは、従業員が法定労働時間や会社が定めた所定労働時間を超えて働いた際に支払われる賃金です。正しく残業代を支払わないと、会社と従業員の間でトラブルが生じることがあります。この記事では、残業代の定義や計算方法、法定内・法定外残業の違いなどをわかりやすく解説し、未払い残業代のリスクを回避するためのポイントも紹介します。
1.残業代とは?
残業代とは、従業員が所定労働時間を超えて働いた時間に対して支払われる賃金のことです。たとえば、一般的な勤務時間が午前9時から午後5時まで(昼休憩1時間)とされている場合、この時間を超えて労働した時間が「残業」に該当します。
労働基準法では、1日8時間、週40時間を超える労働が法定労働時間を超えるものと定められており、これに基づいて残業代が計算されます。
2.法定内残業と法定外残業
残業には「法定内残業」と「法定外残業」の2種類があります。
- 法定内残業:会社が定めた所定労働時間を超えていますが、法定労働時間(1日8時間、週40時間)以内での残業です。この場合、通常の賃金がそのまま支払われます。
- 法定外残業:法定労働時間を超えた労働です。この場合、残業代には割増賃金が適用され、通常の賃金に加えて割増率が上乗せされます。
3.残業代の計算方法
残業代は次の計算式で求められます。
残業代=基礎賃金×残業時間×割増率
- 基礎賃金:従業員の月給を所定労働時間で割った金額
- 割増率:法定外残業に対しては25%以上、深夜や休日の労働にはさらに高い割増率が適用されます
具体例
月給20万円の従業員が所定労働時間を1日8時間として、1日2時間残業した場合、割増率25%が適用されるので、通常の時給に加えて割増賃金が支給されます。
4.残業代が発生する3つのケース
残業代は、大きく分けて以下の3つの場合に発生します。
- 時間外割増賃金:法定労働時間を超えた場合
- 深夜割増賃金:午後10時から午前5時までの時間帯に働いた場合
- 休日割増賃金:法定休日に労働した場合
5.残業代未払いのリスク
未払い残業代のトラブルは、会社にとって大きなリスクとなります。従業員が訴訟を起こす可能性があり、未払いが認められた場合、過去3年間(時効)の残業代を請求されることがあります。
残業代の正しい計算と支払いは、従業員との信頼関係を保つためにも非常に重要です。
6.残業代に関する弁護士への相談のメリット
残業代の問題に直面した場合、弁護士に相談することには以下のメリットがあります。
- 専門的なアドバイス:労働基準法や判例に基づく正確な解釈が得られる
- トラブルの予防:未払いリスクを事前に回避するためのアドバイスを受けられる
- 迅速な解決:訴訟や交渉を通じて迅速かつ円滑に問題を解決するサポートが受けられる
まとめ
残業代の未払い問題を未然に防ぐためには、正しい知識と対応が重要です。弁護士法人長瀬総合法律事務所では、残業代に関するご相談を随時受け付けております。お気軽にご相談ください。
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