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不正競争防止法違反の概要と弁護士のサポート

不正競争防止法違反の概要と弁護士のサポート

Q: 不正競争防止法とはどのような法律で、何を規制しているのですか?

A: 不正競争防止法は、事業者間の公正な競争を維持し、国際的な約束の適切な履行を確保することを目的とする法律です。この法律は、主に事業者が価格や品質以外の不正な手段で競争する行為(不正競争行為)を防止するための規定を設けています。具体的には、混同を生じさせる行為や営業秘密の不正使用、技術的制限手段に対する不正行為などを禁止し、それらに対する差止請求権や損害賠償請求権などを定めることで、事業者の正当な利益を保護し、健全な競争を促進します。

1. 不正競争防止法とは?

不正競争防止法は、「事業者間の公正な競争及びこれに関する国際約束の的確な実施を確保するため、不正競争の防止及び不正競争に係る損害賠償に関する措置等を講じ、もって国民経済の健全な発展に寄与すること」を目的とした法律です(法第1条)。

この法律は、不正競争行為に該当する行為を具体的に定め、それらに対する差止請求権や損害賠償請求権などの救済手段を規定することにより、事業者が正当な競争を行うことを保護します。たとえば、競合他社の商品の形態を模倣した商品を販売する行為や営業秘密を不正に利用する行為は、不正競争行為として規制され、法律に基づいて訴訟が提起されることがあります。

2. 不正競争行為の具体例

不正競争防止法第2条に定められている不正競争行為には、以下のものが含まれます。

混同惹起行為(第2条第1号)

他人の商品や役務と混同を生じさせる行為。

著名表示冒用行為(第2条第2号)

著名な他人の表示を不正に使用する行為。

商品の形態模倣行為(第2条第3号)

他人の商品形態を模倣した商品を譲渡等する行為。

営業秘密に係る不正行為(第2条第4号~第10号)

営業秘密の取得、使用または開示を行う行為。

技術的制限手段に対する不正行為(第2条第11号、第12号)

技術的制限手段を回避する行為。

ドメイン名に係る不正行為(第2条第13号)

他人の表示と同一または類似のドメイン名を不正に取得・使用する行為。

信用毀損行為(第2条第15号)

他人の営業上の信用を毀損する行為。

代理人等の商標冒用行為(第2条第16号)

商標の代理人が商標権者の同意なしに商標を使用する行為。

3. 不正競争防止法違反に対する効果

民事上の効果

不正競争行為が行われた場合、被害者が取ることができる民事上の手段として、以下のものがあります。

差止請求(法第3条)

不正競争行為によって営業上の利益が侵害された、または侵害されるおそれのある場合、被害者は加害者に対して不正行為の停止や予防を求めることができます。

損害賠償請求(法第4条)

不正競争行為により営業上の利益を侵害された被害者は、加害者に対して損害賠償を求めることができます。被害者は、損害額を立証する責任を負いますが、法第5条において損害額の推定規定が設けられており、被害者の救済を図っています。

信用回復措置請求(法第14条)

不正競争行為により営業上の信用を損なわれた被害者は、加害者に対して信用回復のための必要な措置(例えば、謝罪広告の掲載等)を求めることができます。

刑事上の効果

特に悪質な不正競争行為に対しては、刑事罰が科されることがあります。例えば、営業秘密に関する不正行為に対しては、10年以下の懲役または2000万円以下の罰金、もしくはその併科が規定されています(法第21条)。

4. 弁護士に相談するメリット

不正競争防止法に関するトラブルは、企業のブランドイメージや信頼性を大きく損なうリスクがあります。また、法規制が多岐にわたり複雑であるため、専門家である弁護士のサポートを受けることが有効です。

弁護士法人長瀬総合法律事務所では、企業が新規事業を行う際のリーガルチェックや、不正競争防止法違反の疑いを受けた場合の防衛策の検討など、包括的な法的支援を提供しています。企業が適正な競争を行い、法的リスクを回避するための助言を行うことにより、企業活動を円滑に行うことができるようサポートします。

まとめ

不正競争防止法は、企業が健全な競争を行い、法的リスクを回避するために重要な法律です。この法律に違反する行為を行った場合、民事上および刑事上の責任を問われることがあります。不正競争防止法に関する疑義が生じた場合は、早期に専門の弁護士に相談し、適切な対応を取ることが企業の利益を守るうえで重要です。

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