ラーメン店の倒産に取りうる手段と対策
Q&A形式の紹介
Q: ラーメン店の経営者ですが、最近の経済状況の悪化で倒産を考えるようになってきました。自己破産しか方法がないのでしょうか?
A: ラーメン店の経営が厳しい状況にある場合でも、自己破産だけが選択肢ではありません。経営の状態や負債額に応じて、「自己破産」や「民事再生(小規模個人再生)」など、いくつかの法的手続きを検討することができます。それぞれの方法にはメリット・デメリットがありますので、経営状況に最適な解決策を弁護士と相談することをお勧めします。
はじめに
昨今のコロナ禍による影響や原材料費の高騰、さらにはエネルギーコストの上昇により、多くのラーメン店が経営難に陥っています。特に、コロナ融資の返済が本格化している現在、1000円を超える価格設定が難しい「1000円の壁」という問題も深刻です。
これらの要因が重なり、倒産を検討するラーメン店経営者が増加しています。本稿では、倒産手続きの基本や、ラーメン店経営者が知っておくべき法的手続きについて解説します。
倒産とは?
多くの方が「倒産」という言葉を聞くと、自己破産を思い浮かべるかもしれません。しかし、倒産手続きには自己破産以外にもさまざまな手段があります。
- 自己破産
すべての債務を対象とし、財産を処分して清算し、支払い義務を免除される手続きです。 - 民事再生(小規模個人再生)
経営が黒字であっても借入金の返済に苦しむ場合、債務を大幅に減額して経営を立て直す手段です。
自己破産とは?
自己破産は、借入金や未払いの買掛金、賃料などのすべての債務を免除してもらう手続きです。店を閉める必要がありますが、生活に必要な財産以外は処分され、残った債務は基本的に免除されます。
自己破産のメリット
- 借金の返済義務が完全に消滅
- 新たな生活をスタートできる
一方で、営業を続けたい場合には自己破産は適していないため、他の選択肢を考慮する必要があります。
民事再生(小規模個人再生)の活用
営業を継続しつつ、負債の整理を希望する場合には「民事再生」や「小規模個人再生」が選択肢になります。これらの手続きは、経営が黒字でありながら、借入金の返済が厳しい場合に適しています。
特に、個人事業主が経営するラーメン店では「小規模個人再生」が適しています。これは、個人再生の簡易版であり、手続きも比較的スムーズに進むため、少ない費用で経営を立て直すことが可能です。
小規模個人再生のメリット
- 店舗を閉めずに債務整理が可能
- 借入金の大幅な減額が期待できる
- 将来的な返済計画を立て直せる
倒産手続きと法律の理解
倒産手続きを進める際には、弁護士のサポートが欠かせません。手続きの中でどのような法律が適用されるかを理解し、最適な方法を選択することが重要です。たとえば、自己破産においては「破産法」が、民事再生においては「民事再生法」が適用されます。
弁護士に相談するメリット
倒産に関する問題を専門家に相談することで、以下のようなメリットが得られます。
- 最適な手続きを提案
経営状況や負債額に応じて、最も適切な解決策を提案します。自己破産や民事再生など、複数の手続きの中から、経営者にとって最良の道を選ぶことができます。 - 手続きの負担を軽減
法的手続きは複雑であり、書類の準備や裁判所への対応など、多くの作業が必要です。弁護士に依頼することで、これらの負担を軽減できます。 - 将来的な再建のサポート
倒産手続きが完了した後も、再出発に向けたサポートを受けることができます。経営再建に向けたアドバイスや、再度の借入れをサポートすることも可能です。
まとめ
現在、ラーメン店を取り巻く経営環境は厳しいものがありますが、法的手続きを利用することで、負債を整理し、新たなスタートを切ることが可能です。弁護士法人長瀬総合法律事務所では、ラーメン店経営者の再建を支援するため、法的なアドバイスと手続きを提供しています。お困りの方は、ぜひ一度ご相談ください。
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