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カスタマーハラスメント対策のチェックポイント

カスタマーハラスメント対策のチェックポイント

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相談事例

当社はスーパーを運営していますが、最近はお客様からのクレームが以前と比べて激しくなってきており、対応する従業員からもお客様からの要求に耐えられない、接客が怖くてできない、等という相談や苦情を寄せられることが増えてきました。

お客様の要求にはできる限り誠実に対応したいと思う一方で、過剰な要求は、カスタマーハラスメントとして何らかの対応も必要ではないかとも感じています。

最近は、顧客からの過剰なクレームはカスタマーハラスメントにあたるという声も聞きますが、具体的にカスタマーハラスメントとは何か、また企業としてどのような対策をとるべきなのか教えてください。

回答

カスタマーハラスメントとは、「顧客等からのクレーム・言動のうち、当該クレーム・言動の要求の内容の妥当性に照らして、当該要求 を実現するための手段・態様が社会通念上不相当なものであって、当該手段・態様により、労働者の就 業環境が害されるもの」を指します。

解説

はじめに

カスタマーハラスメント対策が求められる背景

厚生労働省による調査[1]では、企業におけるカスタマーハラスメントの相談件数は、パワハラ、セクハラに続いて多く、近年増加している可能性があると指摘されています。

企業調査で、パワハラ、セクハラ等について、過去3年間に相談があったと回答した企業の割合をみると、パワハラ(48.2%)、セクハラ(29.8%)に続いて、カスタマーハラスメント(顧客等からの著しい 迷惑行為)(19.5%)が高いとされています。

パワハラ防止法の施行に伴うカスタマーハラスメント対策の要請

令和元年6月5日に女性の職業生活における活躍の推進等に関する法律等の一部を改正する法律が公布され、労働施策総合推進法等が改正されました。本改正により、職場におけるパワーハラスメント防止のために、雇用管理上必要な措置を講じることが事業主の義務となりました。

これを踏まえ、令和2年1月には、「事業主が職場における優越的な関係を背景とした言動に起因する問題に関して雇用管理上講ずべき措置等についての指針」(令和2年厚生労働省告示第5号)が策定され、顧客等からの暴行、脅迫、ひどい暴言、不当な要求等の著しい迷惑行為(以下「カスタマーハラスメント」といいます。)に関して、事業主は、相談に応じ、適切に対応するための体制の整備や被害者への配慮の取組を行うことが望ましい旨、また、被害を防止するための取組を行うことが有効である旨が定められました。

このように、厚生労働省も、カスタマーハラスメントの対策も重要な課題であると認識し、事業主である企業に対し、パワーハラスメントの防止とともに、カスタマーハラスメントへの対策も講じるよう要請するようになっています。

カスタマーハラスメント対策の重要性

カスタマーハラスメントは、企業の内外に与える影響は決して小さくありません。

カスタマーハラスメントによる影響は、主に、①従業員、②企業、③他の顧客等、に対するものが想定されます。

カスタマーハラスメントを放置することは、①従業員の就労環境の阻害、就労意識の悪化、さらには離職率の上昇にもつながるおそれがあります。

また、②企業にとっても、カスタマーハラスメントに対応するための時間的・経済的コストを要したり、ブランドイメージの低下を招くおそれがあります。

さらに、③他の顧客にとっても、企業のサービスを利用する環境が悪化したりするなどの悪影響が生じるおそれがあります。

従業員への影響

企業への影響

顧客への影響

カスタマーハラスメント対策の難しさ

一方で、カスタマーハラスメントは、企業内におけるパワハラやセクハラと異なり、顧客等という企業外の者による不相当な言動・クレームであることから、企業内のみにおけるハラスメントとは異なる特殊性があります。

このような特殊性があるために、企業がカスタマーハラスメント対策を講じることは、企業内におけるハラスメント対策(パワハラ、セクハラ等)とは異なる難しさがあります。

カスタマーハラスメント対策の難しさを整理すると、以下のような要素を挙げることができます。

  • 何がカスタマーハラスメントかわからない
  • カスハラと企業内ハラスメントは当事者が異なる(カスハラ:外部の問題 企業内ハラスメント:内部の問題)
  • カスタマーハラスメントを安易に認めると従業員への指導ができなくなる
  • カスタマーハラスメントを放置すると従業員を守ることができない
  • カスタマーハラスメントの対応を誤ると企業価値を損なってしまう

企業がカスタマーハラスメント対策を検討するにあたっては、このような特殊性・困難さがあることを理解する必要があります。

その上で、カスタマーハラスメント対策を検討する前提として、まずはカスタマーハラスメントとはそもそも何か、ということからみていきましょう。

カスタマーハラスメントとは

カスタマーハラスメントの定義

このように、企業はカスタマーハラスメントの対策を講じることが要請されていますが、ここでいうカスタマーハラスメントとは何を指しているのかを整理する必要があります。

厚生労働省が令和4年2月25日に公表した「カスタマーハラスメント対策企業マニュアル」(以下「カスハラマニュアル」といいます。)では、カスタマーハラスメントは以下のように定義されています。

顧客等からのクレーム・言動のうち、当該クレーム・言動の要求の内容の妥当性に照らして、当該要求を実現するための手段・態様が社会通念上不相当なものであって、当該手段・態様により、労働者の就 業環境が害されるもの

「顧客等」とは

顧客等」には、実際に商品・サービスを利用した者だけでなく、今後利用する可能性がある潜在的な顧客も含みます。

クレーム等の妥当性とは

「当該クレーム・言動の要求の内容の妥当性に照らして…社会通念上不相当なもの」とは、顧客等の 要求の内容が妥当かどうか、当該クレーム・言動の手段・態様が「社会通念上不相当」であるかどうかを総合的に勘案して判断すべきという趣旨です。

顧客等の要求の内容が著しく妥当性を欠く場合には、その実現のための手段・態様がどのようなもの であっても、社会通念上不相当とされる可能性が高くなると考えられます。他方、顧客等の要求の内 容に妥当性がある場合であっても、その実現のための手段・態様の悪質性が高い場合は、社会通念上不相当とされることがあると考えられます。

「労働者の就業環境が害される」とは

「労働者の就業環境が害される」とは、労働者が、人格や尊厳を侵害する言動により身体的・精神的 に苦痛を与えられ、就業環境が不快なものとなったために能力の発揮に重大な悪影響が生じる等の当該労働者が就業する上で看過できない程度の支障が生じることを指します。

カスタマーハラスメントの具体例

カスタマーハラスメントに該当する具体例としては、以下のような事例が挙げられます(前掲カスハラマニュアル参照)。

「顧客等の要求の内容が妥当性を欠く場合」の例
要求を実現するための手段・態様が社会通念上不相当な言動」の例
  1. 要求内容の妥当性にかかわらず不相当とされる可能性が高いもの
    • ① 身体的な攻撃(暴行、傷害)
    • ② 精神的な攻撃(脅迫、中傷、名誉毀損、侮辱、暴言)
    • ③ 威圧的な言動
    • ④ 土下座の要求
    • ⑤ 継続的な(繰り返される)、執拗な(しつこい)言動
    • ⑥ 拘束的な行動(不退去、居座り、監禁)
    • ⑦ 差別的な言動
    • ⑧ 性的な言動
    • ⑨ 従業員個人への攻撃、要求
  2. 要求内容の妥当性に照らして不相当とされる場合があるもの
    • ① 商品交換の要求
    • ② 金銭補償の要求
    • ③ 謝罪の要求(土下座を除く)

カスタマーハラスメントの判断基準

カスタマーハラスメントに該当する具体例を挙げましたが、実際には業種や企業の考え方によって、顧客側のどの程度の対応をもってカスタマーハラスメントに該当すると判断するかは相違があります。

従業員や企業秩序を重視し、一定の程度を超えた顧客の対応はカスタマーハラスメントとして対応する企業もあれば、顧客にできる限り寄り添う姿勢を重視し、すぐにはカスタマーハラスメントとして対応しないようにする企業もあります。

カスタマーハラスメントの判断基準には相違があり得るところですが、各企業としては、従業員を保護し、企業として毅然として対応するためにも、あらかじめ自社におけるカスタマーハラスメントの判断基準を明確にした上で、企業内の考え方、対応方針を統一して現場で共有しておくことが望ましいといえます。

前掲カスハラマニュアルでは、カスタマーハラスメントの判断基準として以下の指標が掲載されていることは参考となります。

① 顧客等の要求内容に妥当性はあるか

顧客等の主張に関して、まずは事実関係、因果関係を確認し、自社に過失がないか、または根拠のある要求がなされているかを確認し、顧客等の主張が妥当であるかどうか判断します。

顧客等の主張に妥当性があるかどうかは、法的に正当な根拠がある主張といえるかどうかが目安となります。

例えば、顧客が購入した商品に瑕疵がある場合、謝罪とともに商品の交換・返金に応じることは妥当といえます。

逆に、自社の過失、商品の瑕疵などがなければ、顧客の要求には正当な理由がないと考えられます。

② 要求を実現するための手段・態様が社会通念に照らして相当な範囲か

顧客等の要求内容の妥当性の確認と併せて、その要求を実現するための手段・態様が社会通念に照らして相当な範囲であるかを確認します。

例えば、長時間に及ぶクレームは、業務の遂行に支障が生じるという観点から社会通念上相当性を欠く場合が多いと考えられます。

また、顧客等の要求内容に妥当性がない場合はもとより、妥当性がある場合であっても、その言動が暴力的・威圧的・継続的・拘束的・差別的、性的である場合は、社会通念上不相当であると考えられ、カスタマーハラスメントに該当し得ます。

一方、顧客等の要求内容に妥当性がないと考えられる場合であっても、企業が顧客等の要求を拒否した際にすぐに顧客等が要求を取り下げた等の場合は、従業員の就業環境が害されたと言えず、カスタマーハラスメントには該当しない可能性があります。

なお、殴る・蹴るといった暴力行為は、直ちにカスタマーハラスメントに該当すると判断できることはもとより、犯罪に該当しうるものです。

また、カスタマーハラスメントとして取り扱うかどうかに関わらず、顧客等からの行為で従業員の就業環境が害され、就業に支障が生じるようであれば、企業として従業員からの相談に応じる、複数名で対応する等の措置が必要となります。

以上を整理すると、カスタマーハラスメントに該当するかどうかは、下記のようなフローチャートで整理することができます。

その他の判断基準例

なお、上記の判断基準例のほか、企業によっては以下のような判断基準を設定しているケースもあることは参考となります。

カスタマーハラスメントによくある誤解

お客様は神様だから、何を言われても仕方がない?

企業からカスタマーハラスメントに関する相談が寄せられる中でよくある誤解の一つが、「お客様は神様だから、何を言われても仕方がない」というものです。

顧客という立場だからといって、何を言っても許されるということはありません。

カスタマーハラスメントの定義からわかるように、カスタマーハラスメントとは、顧客や取引先など(以下「顧客等」といいます。)等からのクレーム全てを指すものではありません。

顧客等からのクレームには、商品やサービス等への改善を求める正当なクレームがある一方で、過剰な要求を行ったり、商品やサービスに不当な言いがかりをつける悪質なクレームもあります。

不当・悪質なクレームが、カスタマーハラスメントの定義に該当するようであれば、企業は従業員を守る対応を講じる必要があります。

カスタマーハラスメントに伴う法的責任

カスタマーハラスメントに伴う法的リスクは、以下のように複数の視点で考える必要があります。

カスタマーハラスメントを行った当事者である顧客側の法的リスクは、いわば加害者としての法的リスクとなります。顧客の法的リスクは、直接的な被害者である従業員に対するものと、間接的な被害者である企業に対するものの2つに整理することができます。

一方、カスタマーハラスメント対策を怠った企業の法的リスクも考えられます。企業もカスタマーハラスメントの間接的な被害者ではありますが、従業員に対して心身の安全を図るべき安全配慮義務を負っています。企業がカスタマーハラスメント対策を怠った場合、従業員に対する安全配慮義務違反を問われることになります。

カスタマーハラスメントを行った顧客側の法的責任

カスタマーハラスメントを行った顧客は、いわば加害者として、直接的な被害者である従業員に対する法的責任と、間接的な被害者である企業に対する法的責任の2つを負うことになります。

そして、顧客が負う法的責任は、①民事責任、②刑事責任、③社会的責任の3つに整理することができます。

民事責任

カスタマーハラスメント対策を怠った企業の法的責任

カスタマーハラスメント対策を怠った企業は、カスタマーハラスメントの間接的な被害者という立場である一方、安全配慮義務を負っている従業員との関係では、安全配慮義務違反を犯したという点で法的責任を負うことになります。

企業が負う法的責任も、①民事責任、②刑事責任、③社会的責任の3つに整理することができます。

民事責任

従業員に対する安全配慮義務違反を理由とする損害賠償責任(民法415条、民法709条)

刑事責任

労働安全衛生法違反を理由とする刑事責任

社会的責任

企業としての対外的信用の毀損

カスタマーハラスメントに関連する裁判例

このように、カスタマーハラスメントに伴う法的リスクは、顧客と企業、双方に生じることになります。

実際にカスタマーハラスメントが問題となった裁判例としては、以下の事例が挙げられます。

裁判例① カスハラを行った顧客側の責任が認められた裁判例(大阪高決平成20年7月1日)

事案の概要

保険会社との自動車損害保険契約に基づく交通事故に関する保険金請求に関する交渉に関し、自動車損害保険契約者が保険会社の従業員に対し多数回及び長時間にわたり架電をするなどしてその業務を妨害し、保険会社の業務に支障が生じた等として、保険契約者に対する業務妨害の禁止を求めて仮処分の申立てをした事案です。

結論

保険契約者と自動車損害保険契約を締結した保険会社は、保険契約者に対し、業務妨害禁止を求めて仮処分の申立てをしたものの、原審がこれを却下したため抗告しました。

抗告審は、保険契約者からの複数部門への多数回及び長時間の架電等により業務に著しい支障が生じているとして、当該保険金請求に関する交渉に関し、弁護士を介しての交渉によらずに、自ら又は第三者を通じて、保険会社の営業所に架電するなどの方法により、保険会社の従業員に対し電話の応対又は面談を強要するといった妨害行為につき、保険会社は「業務遂行権」に基づく差止めを請求できるとして、原決定を取り消し、本件仮処分の申立てを認容しました。

裁判例からみえること

本件は、保険会社の事例ではありますが、民間企業の業務運営に対する悪質な妨害に対しては、「業務遂行権」に基づく差止請求ができることが明らかにされています。

カスタマーハラスメントに悩まされる企業としては、業務妨害に対する差止請求を選択するという手段もあり得ることになります。

裁判例② カスハラを行った顧客側の責任が認められた裁判例(大阪地判平成28年6月15日)

事案の概要

市民Aが市に対して情報公開請求を多数回にわたって濫用的な態様で行ったり、質問文書の送付や架電等による不当な要求行為を繰り返したりして、市の平穏に業務を遂行する権利を侵害しており、今後も、市民Aによる同様の権利侵害行為が繰り返されるおそれがあるとして、①面談強要行為等の差止めを求めるとともに、②不法行為に基づく損害賠償請求として市民Aとの対応を余儀なくされた市の職員らの給与及び超過勤務手当相当額等合計約190万円の支払を求めた事案です。

結論

市民Aの業務妨害行為は情報公開請求や権利行使に付随するものではあるものの、その頻度や態様等に照らすと正当な権利行使としての限度を超え、市の資産の本来予定された利用を著しく害し、かつ、業務従事者に受忍限度を超える困惑・不快を与え業務に及ぼす支障の程度も 著しく、同行為が繰り返される蓋然性も高いとして差止請求を認容しました。

また、市民Aの同行為は市の業務の平穏な遂行を妨害する不法行為に当たるとして、民事訴訟法248条により損害額を算定し、賠償請求を一部認容しました(約190万円の請求に対し、80万円の損害額が認定されています。)。

裁判例からみえること

本件は市に対するカスタマーハラスメントが問題となった事例ですが、私企業の場合でも参考となります。

業務妨害を受けた市の差止請求が認められただけではなく、業務妨害に対する損害賠償請求が認められたことや、認容された損害額及びその法的根拠も、先例的意義があるといえます。

裁判例③ カスハラ対応を怠った企業の責任が認められた裁判例(甲府地判平成30年11月13日)

事案の概要

市立小学校の教諭が児童の保護者から理不尽な言動を受けたことに対し、校長が教諭の言動を一方的に非難し、また、事実関係を判断して的確に対応することなく、その勢いに押され、専らその場を穏便に収めるために安易に当該教諭に対して保護者に謝罪するよう求めたことに対し、被告市及び被告県に対し、約517万円の支払いを求める損害賠償請求をした事案です。

結論

本件は、校長の教諭に対するパワハラ行為を認定し、約295万円の損害賠償責任を認めました。

裁判例からみえること

本件は、私立小学校の事例ですが、私企業の場合でも参考となります。

校長が保護者からの理不尽な原動を受けていた担当教諭を保護せず、逆に事実関係を整理して対応することなく一方的に謝罪を要求したこと等が、パワハラにあたると認定されています。

カスタマーハラスメントが発生した場合に、企業が事実関係を精査せずに安易に従業員に謝罪をさせてその場限りの対応をしようとした場合にも、同様に企業の従業員に対する安全配慮義務違反を問われることになります。

裁判例④ カスハラ対応を十分行ったとして企業の責任が否定された裁判例(東京地判平成30年11月2日)

事案の概要

買い物客とトラブルになった小売店の従業員が、会社に対し、労働者の生命、身体等の安全を確保しつつ労働することができるよう必要な配慮を欠いたとして、慰謝料105万円等の損害賠償を請求した事案です。

結論

会社は、誤解に基づく申出や苦情を述べる顧客への対応について、①テキストを配布して苦情を申し出る顧客への初期対応を指導し、②サポートデスクや近隣店舗のマネージャー等に連絡できるようにして、③深夜においても店舗を2名体制にしていたことで、店員が接客においてトラブルが生じた場合の相談体制が十分整えられていたとし、安全配慮義務違反を否定しました。

裁判例からみえること

企業がカスタマーハラスメント対策としてどのような措置を講じておけば、安全配慮義務を尽くしたと評価されるのかということに関する参考事例といえます。

企業がとるべきカスタマーハラスメントへの8つの対策

企業がカスタマーハラスメント対策の基本的な枠組みを構築するため、以下の8つの対策を講じておくことが考えられます。

  1. カスタマーハラスメントを想定した事前の準備
  1. カスタマーハラスメントが実際に起こった際の対応

また、企業としては、顧客側の正当な要求や、サービスへの不満や改善要望を、深刻なカスタマーハラスメントに発展させないように適切な初動対応を意識することも必要です。

例えば、顧客側の要求を十分に確認しないままに鵜呑みにして全面的に非を認めるような発言をしてしまうと、かえって顧客側の要求を過剰にさせてしまうリスクもあります。

企業側としては、十分な事実関係が確認できない段階では、以下の手順を踏んで対応することも意識していきましょう。

  1. 対象となる事実、事象を明確かつ限定的に謝罪する
  2. 状況を正確に把握する
  3. 一次相談対応者または相談窓口に情報共有する

カスタマーハラスメント対策のために当事務所が提供できるサービス

このように、カスタマーハラスメントは、企業内で起きるパワハラやセクハラ等とは異なる特殊性があるために、その対策を講じることは容易ではありません。

当事務所は、これまでに多数のカスタマーハラスメントやクレーマー対応について相談・依頼を受けてきた実績があります。

企業がとるべきカスタマーハラスメントの8つの対策を紹介しましたが、自社内でそれぞれの対策を講じることが困難と感じる場合には、当事務所にご相談ください。

当事務所は、個別のカスタマーハラスメントやクレーム案件の解決のほか、カスタマーハラスメント対策を講じるための社内体制の整備をサポートすることも可能です。

出典・引用

[1] 厚生労働省|カスタマーハラスメント対策企業マニュアル(PDF)

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