相談事例
同一労働同一賃金における教育訓練や安全管理に関する措置の見直しをする際の注意点を教えてください。
解説
教育訓練
ガイドラインの考え方
5 その他
(1)教育訓練であって、現在の職務の遂行に必要な技能又は知識を習得する ために実施するもの
教育訓練であって、現在の職務の遂行に必要な技能又は知識を習得するために実施するものについて、通常の労働者と職務の内容が同一である短時間・有期雇用労働者には、通常の労働者と同一の教育訓練を実施しなければならない。また、職務の内容に一定の相違がある場合においては、その相違に応じた教育訓練を実施しなければならない。
(「厚生労働省|短時間・有期雇用労働者及び派遣労働者に対する不合理な待遇の禁止等に関する指針」5-8頁より抜粋)
実務上の対応
同一労働同一賃金ガイドラインでも、「問題となる例」「問題とならない例」の公表がない上、裁判例でも類例が見当たりません。
同一労働同一賃金ガイドラインの考え方に照らせば、正社員と短期・有期社員の職務内容等が同一である場合、教育訓練の内容に相違を設けることは難しいと思われます。
安全管理に関する措置及び給付
ガイドラインの考え方
(2)安全管理に関する措置及び給付
通常の労働者と同一の業務環境に置かれている短時間・有期雇用労働者には、通常の労働者と同一の安全管理に関する措置及び給付をしなければ ならない。
(「厚生労働省|短時間・有期雇用労働者及び派遣労働者に対する不合理な待遇の禁止等に関する指針」5-8頁より抜粋)
実務上の対応
同一労働同一賃金ガイドラインと、裁判例の考え方は必ずしも整合していないと思われます。
裁判例では、医療費補助制度は、使用者による恩恵的な措置であること、労働条件に必ずしも含まれないとされています。
もっとも、同一労働同一賃金ガイドラインの考え方を優先すれば、正社員と短期・有期社員との間で相違を設けることはリスクがあるため、できれば差異は設けないようにすべきでしょう。
ご相談のケースについて
教育訓練や安全管理に関する措置については、同一労働同一賃金ガイドラインにも「問題となる例」「問題とならない例」の公表がありません。
また、参考となる裁判例も限られている状況にありますので、正社員と短期・有期社員の待遇差はできる限り設けないようにすることが無難といえます。
運送業向け 顧問サービスのご案内
私たち「弁護士法人 長瀬総合事務所」は、企業法務や人事労務・労務管理等でお悩みの運送会社・運送事業者を多数サポートしてきた実績とノウハウがあります。
私たちは、ただ紛争を解決するだけではなく、紛争を予防するとともに、より企業が発展するための制度設計を構築するサポートをすることこそが弁護士と法律事務所の役割であると自負しています。
私たちは、より多くの企業のお役に立つことができるよう、複数の費用体系にわけた顧問契約サービスを提供しています。
運送業のための書籍のご紹介
典型的な労働集約型産業である運送会社にとって、労務管理は大きな経営課題の一つです。
私たちは多数の運送会社との間で顧問契約を締結し、労務管理のサポートをしてきましたが、これまでに培った知見を整理した書籍を執筆しました。
働き方改革関連法、パワハラ防止法、民法改正、貨物自動車運送事業法改正に対応した内容となっています。労務管理に悩む運送会社やこれを支える士業の皆様のお役に立つことができれば幸いです。
働き方改革関連法、パワハラ防止法、民法改正、 貨物自動車運送事業法改正に対応! 運送会社のための労務管理・働き方改革対応マニュアル 著:弁護士 長瀨 佑志(茨城県弁護士会所属) 2021年3月12日 発売 定価4,290円(本体3,900円) |
メールマガジン登録のご案内
- メールマガジン登録者のみに、セミナー動画を限定公開
- セミナーの最新情報をいち早くお知らせ
- 実務に使用可能な書式のダウンロードが可能
「弁護士法人 長瀬総合法律事務所」では、定期的にメールマガジンを配信しております。
メールマガジンでは、セミナーのお知らせ、所属弁護士が執筆した人気コラムのご紹介のほか、登録者限定で、当事務所の所属弁護士監修の「実務に使用できる書式」を無料でダウンロードが可能になるほか、セミナーを丸ごと収録した動画の限定配信を行なっております。メールマガジンに興味を持たれた方は、下記よりご登録下さい。