契約書の確認や従業員とのトラブルなど、日常的に相談できる弁護士を探しているものの、地元では適切な事務所が見つからない、あるいは特定の分野に対応した事務所に依頼したいと考える経営者の方がいます。

県外の弁護士と顧問契約を結ぶことは可能です。日常の相談の多くは、電話、メール、オンライン会議で対応でき、契約書のデータのやり取りもオンラインで行えます。ただし、顧問料にどの業務が含まれるか、回答までの目安、現地での対応が必要になった場合の扱いは事務所ごとに異なるため、契約の前に確認しておく必要があります。

当事務所には、全国各地にお住まいの方からご相談が寄せられています。この記事では、遠方の企業がオンラインを中心に弁護士へ相談する場合を想定し、顧問契約の内容と、契約前に確認したい事項を説明します。顧問契約の具体的な条件は、ご相談時にご確認ください。

オンライン顧問でできること

顧問契約を結ぶと、トラブルが起きてから弁護士を探すのではなく、日常的に相談できる窓口を持つことができます。オンラインを中心とした顧問契約で対応することが多い業務は、次のとおりです。

  • 取引や社内の問題についての日常的な法律相談
  • 取引先から提示された契約書の確認
  • 就業規則の運用や従業員への対応に関する相談
  • 取引先への通知文や社内文書の確認
  • トラブルが起きた初期の段階での対応の助言

会社の事業内容や過去の相談の経緯を弁護士が把握しているため、相談のたびに一から説明する必要がなく、早い段階で相談しやすくなることが、顧問契約の利点の一つです。

相談方法と回答の目安

相談の方法には、電話、メール、オンライン会議のほか、事務所によってはチャットなどを利用する場合もあります。どの方法で、誰に相談できるのかを確認してください。

回答までの時間は、相談の内容によって異なります。簡単な質問にはその日のうちに回答できることもありますが、契約書の確認や調査が必要な相談には一定の時間がかかります。急ぎの案件がある場合の連絡方法や、回答の目安をあらかじめ決めておくと、社内での対応の予定を立てやすくなります。

また、契約書や従業員の個人情報をやり取りすることになるため、データの送付方法や管理の方法も確認しておくべき点です。

顧問料に含まれる業務と別料金の業務

顧問料でどこまで対応するかは、事務所や契約の内容によって異なります。次の表は一般的な例であり、当事務所の条件を示すものではありません。

業務 顧問料の範囲で対応することが多いもの 別料金になることが多いもの 現地での対応
法律相談 電話・メール・オンラインでの日常的な相談 調査を要する意見書の作成 通常は不要
契約書 一般的な契約書の確認 新たな契約書の作成、分量の多い契約書の確認 通常は不要
労務 就業規則の運用、個別の相談 就業規則の全面的な改定、労働審判や訴訟の対応 社内での説明会などでは必要になることがある
紛争 初期の対応の助言 交渉の代理、訴訟の対応 裁判の期日への出席、現地での調査

現地での対応が必要になった場合の交通費や日当の扱いも、契約の前に確認してください。

契約前の確認事項

顧問契約を結ぶ前に、次の点を確認しておくと、契約後の行き違いを防ぐことができます。

  • 顧問料の額と、顧問料に含まれる業務の範囲
  • 相談の方法、担当する弁護士、回答の目安
  • 別料金となる業務の料金の考え方
  • 現地での対応が必要になった場合の費用
  • 契約の期間と解約の方法
  • 税理士や社会保険労務士など、他の専門家との役割の分担

なお、弁護士は、利害が対立する相手方からすでに依頼を受けている場合には、その事件を扱うことができません。取引先や競合する会社がすでに同じ事務所の顧問先である場合などは、契約の前に確認が必要です。

よくある質問

Q 会社から遠い事務所でも、裁判になったら対応してもらえますか?

弁護士が扱える事件に地域の制限はありません。裁判所の所在地によっては出張が必要になりますが、ウェブ会議で行える手続もあります。出張の費用の扱いは契約の前に確認してください。

Q 顧問契約をしていると、紛争の弁護士費用はどうなりますか?

紛争の対応は顧問料とは別の料金とすることが一般的です。顧問先について費用の扱いを定めている事務所もあるため、契約の内容を確認してください。

Q 社会保険労務士と顧問弁護士の違いは何ですか?

社会保険労務士は、労働・社会保険の手続や労務管理の相談を担当します。紛争対応については、特定社会保険労務士が法定の範囲で裁判外の紛争解決手続を代理できる場合もあります。弁護士は、従業員との紛争の交渉や裁判での代理など、法的な紛争への対応を担当できます。


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