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クレームが法的紛争に発展した場合の対処法

はじめに

成人式当日のトラブルは、内容や対応次第では法的紛争に発展する恐れがあります。例えば、「施術が遅れて式典に出られなかったため、損害賠償を請求する」「着付けミスでケガをした」など、裁判や少額訴訟に発展するケースも決してゼロではありません。

こうした状況に陥った場合、適切に対応しないとサロンの負担が大きくなるだけでなく、評判を著しく損なうリスクがあります。本記事では、法的紛争に発展した場合の一般的な流れや、示談交渉の進め方、内容証明郵便や少額訴訟などの手続きについて解説します。

Q&A

Q1. 施術を巡るクレームで示談交渉とは何ですか?

示談交渉とは、裁判所を介さずに当事者同士の話し合いで解決を図る手続きです。金銭賠償や再施術などの条件を互いに納得のいく形で合意し、書面(示談書)にまとめます。訴訟に比べて時間や費用を抑えられるのが利点です。

Q2. 内容証明郵便はどのように使われますか?

内容証明郵便は、「いつ、どのような内容の手紙を出したのか」を郵便局が証明してくれるシステムです。支払督促クレームに対する回答などで送付することで、相手に対する正式な意思表示としての重みが増し、法的紛争における証拠にもなります。

Q3. 少額訴訟とは何でしょうか?

少額訴訟は、60万円以下の金銭トラブルを素早く解決するための裁判手続きです。通常の訴訟より手続きが簡易で、原則1回の期日で審理が終わるのが特徴です。成人式の施術トラブルでも、賠償請求額が60万円以下であれば少額訴訟が利用される場合があります。

Q4. 弁護士費用の方が高くつくのではないか心配です。

確かに、紛争額より弁護士費用が高くなるケースもあります。しかし、裁判リスク和解条件の妥当性などを総合的に考えると、専門家のサポートで早期・円満解決が可能になり、結果的にコストを抑えられることがあります。状況に応じて、費用対効果を見極めながら検討するとよいでしょう。

Q5. 訴訟まで発展しないようにするにはどうすればいいですか?

まずは誠実な対応早期の話し合いが重要です。クレーム発生直後に無視したり、不誠実な態度を取ったりすると相手が強硬姿勢をとりやすくなります。内部で対応が難しい場合はお早めに弁護士へ相談し、示談交渉のサポートを受けることで訴訟リスクを軽減できます。

解説

法的紛争に発展するまでの流れ

  1. クレーム発生・交渉段階
    お客様がサロンに直接クレームを申し入れ、返金や謝罪を求める。サロン側は内部で対応を検討。
  2. 示談交渉
    話し合いで解決しようと試みる。相手が弁護士を立てる場合もあり。
  3. 内容証明郵便・支払督促
    交渉が決裂すると、相手またはサロンが法的手続きの予告や請求のため、内容証明を送付することが多い。
  4. 訴訟・少額訴訟
    示談不成立の場合、裁判所に訴状が提出される。損害額が60万円以下なら少額訴訟も利用可能。
  5. 判決または和解
    法廷での審理を経て判決が出るか、途中で和解が成立し、紛争終結となる。

早期解決のためのポイント

示談書の作成

示談が成立したら、示談書を作成し、両者が署名・捺印します。

訴訟になった場合の注意点

弁護士に相談するメリット

  1. 早期相談で紛争予防
    クレーム段階で弁護士が関与することで、相手とのコミュニケーションをスムーズに行い、紛争拡大を防ぎやすい。
  2. 示談交渉のサポート
    法的観点から妥当な和解金額や条件を提示し、紛争解決を後押し。
  3. 内容証明や訴状への適切な対処
    相手から内容証明が届いた場合や訴訟を起こされた場合も、速やかに反論や防御ができる。
  4. 裁判手続きの代理
    訴訟や少額訴訟でサロンの利益を最大限に守り、適正な結論を導き出す。

弁護士法人長瀬総合法律事務所は、美容業界の施術トラブルをはじめ、多様な法的問題に精通した弁護士が在籍しております。紛争化を避けるための予防策から、裁判対応まで幅広くサポートいたします。

まとめ

成人式のトラブルがこじれて法的紛争に発展すると、サロンとお客様の間で大きな対立を生むだけでなく、時間や費用、そして信用面でも大きなダメージが生じます。

紛争を避けるためには、日頃から契約書やクレーム対応マニュアルを整備し、トラブルの早期段階で誠実かつ迅速に対応することが重要です。万一、示談が難しく法的手続きが見込まれる場合でも、弁護士のサポートを受けることで、適正な解決策を探ることができます。


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