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契約書の基本構成

契約書の基本構成

ポイント

  1. 契約書の基本構成は、11のポイントから成る
  2. 契約書の基本構成を理解すれば、契約書のチェックポイントがわかる

契約書の基本構成

契約書の基本構成は、以下の11のポイントから成ります。
これから、各項目で、それぞれのポイントについて解説します。

契約書の参考例

契約書の11のポイントをイメージしやすいように、契約書の参考例として、「金銭消費退職契約書」を掲載します。

参考例

 

金銭消費貸借契約書

 

貸主 XXX株式会社(以下「甲」という。)、借主 YYY(以下「乙」という。)及び連帯保証人ZZZ株式会社(以下「丙」という。)は、甲が乙に対し以下の条件で金員を貸し付ける旨の契約(以下「本契約」という。)を締結する。

第1条(諾成的消費貸借の合意)                                     

 甲は、下記約定により乙に対し金員を貸し渡し、乙はこれを借り受けることを合意する。
 (1)金額    金1000万円
 (2)弁済期限 令和●年●月●日
 (3)弁済方法 令和●年●月から令和●年●月まで毎月末日限り金●万円を合計●回の元金均等分割弁済
 (4)利率 第2条に基づき乙が金員を受領した日以後年●%(年365日日割計算)

 (5)利息の支払日    毎月末日
 (6)遅延損害金利率 年●%
 (7)支払方法 乙の指定する下記銀行口座に振り込む方法により支払う

 

銀行●支店

普通預金

                        口座番号 ●●●●

                        口座名義 ●●●●

 

第2条(金銭の授受)                 

 甲は、乙に対して、前条第1号に定める金員を、令和●年●月●日に、前条第7号に定める口座に振り込む方法により貸し渡すものとし、振込手数料は甲の負担とする。

 

第3条(使途)                                                            

 乙は、本契約に基づく借入金を、令和●年●月●日付業務提携契約に基づく本件設備投資(同契約に定義する。)を実施するための資金としてのみ使用するものとし、他の目的には使用しないものとする。

 

第4条(期限の利益喪失)                     

 乙又は丙に本条各号の事項の一つにでも該当する事由が生じたときは、何らの通知、催告がなくとも当然に、乙は一切の債務について期限の利益を喪失するものとし、直ちにその債務を弁済する。

 (1)本契約に基づく債務の一つについてでも、その履行を遅滞し、又は違反したとき
 (2)支払の停止又は破産、民事再生、会社更生手続若しくは特別清算の申立てがあったとき
 (3)手形交換所の取引停止処分を受けたとき
 (4)仮差押、仮処分、強制執行若しくは任意競売の申立て又は滞納処分のあったとき
 (5)合併による消滅、資本の減少、営業の廃止・変更又は解散決議がなされたとき
 (6)その他、資産、信用又は支払能力に重大な変更を生じたとき
 (7)相手方に対する詐術その他の背信的行為があったとき

 

第5条(一括返済)                  

 乙は、甲に対して、書面により一括返済の申し出を行うことにより、期限の利益を放棄して、いつでも第1条第1号に定める金員について一括返済をすることができる。ただし、当該一括返済により甲が損害を受けた場合、乙は甲に対して、当該損害を賠償しなければならないものとする。

 

第6条(表明及び保証)                

 乙及び丙は、甲のために、以下の各事項が本契約締結日において真実かつ正確であることを表明し、保証するとともに、後日そのいずれかが本契約締結日において真実又は正確でなかったことが判明したときは、直ちに甲に書面によりその旨を通知するとともに、それにより甲に生じた損失、経費その他の一切の損害を負担する。

 (1)乙及び丙による本契約の締結及び履行は、(i)乙及び丙が負担する本契約以外のいかなる契約上の義務にも違反する結果とならず、かつ、(ii)その財産を拘束するいかなる日本国の法令等にも違反する結果とならないこと

 (2)乙及び丙は、日本法上有効に設立された法人であり、本契約を締結し、本契約に基づく一切の債務を負担する法律上の完全な権利能力及び本契約に定められている規定を遵守・履行するのに必要な法律上の完全な権利能力を有しており、本契約が有効に乙及び丙を拘束すること

 (3)乙及び丙は、本契約の締結・交付及び本契約に基づく一切の債務を遵守・履行するために必要となる日本法並びに乙及び丙の社内の承認手続をすべて適法に完了していること

 (4)乙及び丙による本契約上の義務の履行に重大な影響を及ぼす訴訟・係争等が発生していないこと

 (5)乙及び丙は、現在、暴力団、暴力団員、暴力団員でなくなったときから5年を経過しない者、暴力団準構成員、暴力団関係企業、総会屋等、社会運動標ぼうゴロ又は特殊知能暴力集団等、その他これらに準ずる者(以下、これらを「暴力団員等」という。)に該当しないこと、及び次の各号のいずれか一にも該当しないことを表明し、かつ将来にわたっても該当しないことを表明し、保証する。
 ① 暴力団員等が経営を支配していると認められる関係を有すること
 ② 暴力団員等が経営に実質的に関与していると認められる関係を有すること
 ③ 自己、自社若しくは第三者の不正の利益を図る目的又は第三者に損害を加える目的をもってするなど、不当に暴力団員等を利用していると認められる関係を有すること
 ④ 暴力団員等に対して資金等を提供し、又は便宜を供与するなどの関与をしていると認められる関係を有すること
 ⑤ 役員又は経営に実質的に関与している者が暴力団員等と社会的に非難されるべき関係を有すること

第7条(届出事項の変更)                                                 

      1. 乙及び丙は、自己の名称、商号、代表者、住所その他届出事項に変更があったときは、直ちに書面によって甲に届け出るものとする。
      2. 前項の届出を怠ったため、通知又は送付された書類等が延着し又は到達しなかった場合には、通常到達すべき時に到達したものとみなす。

第8条(連帯保証)                                                             

      1. 丙は、本契約に基づき、乙が甲に対して負担する一切の債務について負担する。
      2. 丙は、乙が丙の取締役であり、前項に定める連帯保証に関して、丙の取締役会において会社法第356条第1項に定める承認を得たことを約し、その旨が記載された取締役会議事録を本契約書に添付するものとする。
      3. 本契約に基づく乙の借入金の元本及び利息、違約金、損害賠償その他従たる債務すべてのものについての不履行の有無並びにこれらの残額及びそのうち弁済期が到来しているものの額に関する情報について、丙から当該情報を提供するよう請求があった場合、甲は丙に対して、遅滞なく当該情報を提供しなければならないものとする。

第9条(乙による解除)                

 乙は、甲から第1条第1号に定める金員の授受の前であれば、本契約を解除することができる。この場合、乙は甲に対して、甲が当該金員を調達するために要した費用その他の損害を賠償するものとする。

 

第10条(債権譲渡禁止)                                     

 甲は、本契約上の権利について、乙の事前の書面による承諾なく、第三者に対して譲渡してはならない。

 

第11条(通知)                                                     

 本契約に基づく通知、要請、要求、放棄、承認、同意又はその他の通信は、個別の条項に別途規定する場合を除き、すべて書面(電子メールを含む。本契約書において同じ。)によって別紙記載の通知先に宛てて郵送することによってなされるものとする。

 

第12条(準拠法及び管轄裁判所)                     

      1. 本契約は、日本法を準拠法とし、同法に従って解釈されるものとする。
      2. 本契約に関する紛争については、東京地方裁判所を第一審の専属的合意管轄裁判所とする。

第13条(誠実協議)                                             

 本契約に定められていない事項又は解釈上疑義が生じた事項については、その都度、甲乙丙誠意をもって協議決定する。

 

本契約の成立を証するため本契約書を3通作成し、甲乙丙各記名押印の上、各1通を保有する。

 

年●月●日

                          所在地          ○○○○

(貸主)甲                  会社名     XXX株式会社

                                                                                          代表者氏名 ●●●●

 

                          住所        ○○○○

(借主)乙

                                                                                          氏名        YYY

 

                          所在地          ○○○○

(連帯保証人)丙      会社名     ZZZ株式会社

                                                                                       代表者氏名 ●●●●

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