債権回収の各方法 ⑦強制執行

2018-05-31

強制執行

1 強制執行とは

裁判所の判決を得ても、債務者がそれに従わずに支払ってくれない場合、判決に基づき強制的に債権回収を図るのが強制執行手続になります。

強制執行手続は非常に有効な方法で、債権回収における最終的手段です。

強制執行には、「不動産執行」「動産執行」「債権執行」がありますが、企業活動おける債権回収の場合、一番よく行われるのは「債権執行」です。具体的には、銀行預金の差押えや債務者が取引先に持っている債権の差押えを行います。

2 強制執行のメリットとは

(1)不動産執行のメリットとは

不動産自体の価値は一般的には高額であるため、競売にかけたとしても、大きな金銭に換えることが可能なため、債権額が高額であっても一括で回収できる可能性があります。

 

(2)動産執行のメリットとは

競売手続が不動産の場合よりも簡単で一人で行うことも可能です。

また、家財道具に差押えの札が貼られることが、債務者への心理的プレッシャーになり、支払いに応じてくれることもあります。

 

(3)債権執行のメリットとは

債権執行は、不動産執行や動産執行とは異なり、差押え後に競売等の手続きを経る必要がありません。差押命令の送達から1週間が経過すると、第三債務者(預金債権の場合は銀行、債務者の取引先への債権の場合はその取引先)へ直接取立てを行うことができます。

 

3 強制執行のデメリットとは

(1)不動産執行のデメリットとは

不動産執行の場合、不動産の調査や鑑定評価費用として納める金額が高額な上、更に登記費用もかかります。また、配当までは長時間を要するため、不動産執行は費用と時間のかかる債権回収方法になります。

 

(2)動産執行のデメリットとは

動産執行の場合、動産は、実際に建物の中に入って現物を見なければ、どれほどの価値があるものなのかがわかりません。

債務者が高価な動産を所有していれば、配当にも期待できますが、そうでなければ、競売にかけても落札者はほぼいない、ということになってしまいます。

 

(3)債権執行のデメリットとは

債権の場合は、債務者が「誰に対して」「どのような債権」を持っているのかわからず、債権を特定しづらいというデメリットがあります。

また債権を特定できた特定できても、すでに別の債権者に差し押さえられているような場合は、結局債権を回収できないこともあります。

 

4 まとめ

強制執行は、債権回収にはとても有効な手段といえます。

もっとも、どの執行を行うのかは、回収を目指す債権額、債務者の財産状況等を考慮して、慎重にその方法を決めなければなりません。

迅速かつ適切な方法を選択し、債権回収の実効性を上げ、企業経営の安定化を図るために、採るためには顧問弁護士による専門的なアドバイスを受けることをお勧めいたします。