企業秘密漏洩対策 ④公告制度

2018-06-27

1 公告制度

公告とは、ある事項を広く告知することを意味します。株式会社は、会社法によって一定事項について、公告を行うことが義務付けられています。

公告しければならない内容は、会社の形態ごとに異なります。また、公告事項には、決算公告、合併に関する公告、会社分割に関する公告、組織変更に関する公告、資本金及び準備金の減少に関する公告、解散公告等があります。

 

2 決算公告

 決算公告の詳細は以下のとおりです。

 

(1)決算公告の趣旨

決算公告の趣旨は、自社の経済状態を公表することで、株主や債権者に内容を周知して、取引の安全を確保することにあります。また、会社の動きや財務状況を公表することにより、社会的な信頼を得ることも可能になります。

 

(2)決算公告の内容

株式会社は、会社法により、計算書類等の作成、保存、株主への提供等をすることが義務付けられています。これらの計算書類は、公告されると誰でも無償で閲覧することができます。

 

(3)決算公告の時期

すべての株式会社は、定時株主総会の終結後遅滞なく公告を行わなくてはなりません(会社法第440条)。

 

(4)決算公告の範囲

決算の内容をどこまで公告しなければならないかは、会社の大きさによって異なります。

会社法上の大会社は、貸借対照表と損益計算書の両方が公告の対象となりますが、大会社以外の会社は貸借対照表のみが公告の対象となります。なお、会社法上の大会社とは、資本金5億円以上、または負債200億円以上の会社になります。

 

(5)決算公告の方法

決算公告の方法について、会社法では以下の3つの方法を定めており、いずれの方法をとるかは定款に定めることになっています(会社法第939条)。

 

① 官報へ掲載する方法

官報は国が発行する唯一の機関紙で、法で定められた公告に対応するため、常時受け付けがなされています。信頼性も高く、料金も比較的低廉です。また、30日間はインターネットで無料公開されます。

 

② 時事に関する事項を掲載する日刊新聞氏に掲載する方法

官報より購読者が多いため、広く周知させる場合には適していますが、公告料は高額になります。

 

③ 電子公告

自社のホームページに掲載をすることで公告することができます。既にホームページを作成している場合には、無料で掲載することが可能です。ただ、官報や日刊紙での公告とは異なり、要旨ではなく、全文の掲載が必要になります。また、過去5年分の決算内容を掲載する必要があります。

 

3 罰則

公告を怠ったり、または不正な公告をしたりした場合には、行政罰として100万円以下の罰金に処せられる旨が定められています(会社法第976条第2号)。また、不正な公告により第三者に損害を与えた場合には、会社や役員等が損害賠償責任を負う場合もあります(民法第709条、会社法第350条、第429条第2項第1号ニ)。

 

4 まとめ

決算公告は、法定されているにもかかわらず、知識不足や煩わしさから、特に中小企業においては適切に行われていないという現状もあります。しかしながら、自社の情報を法に則って公開することは、銀行や取引先の信用を得る絶好の機会にもなり得ます。

経営者が知っておかなければならない会社法は、条文数も多く、全て読みこなして理解し、実際の運用を行っていくのはなかなか大変です。そこで、法律的な内容は顧問弁護士に相談しながら業務を行うことで、より安全な経営を行うことができます。顧問弁護士をご検討中の方は、ぜひ一度当事務所へご相談ください。