企業秘密漏洩対策 ③営業秘密の漏洩

2018-06-26

1 営業秘密の価値

社会の進展により、無形の財産である情報が資産として重要視されるようになってきました。情報資産には、会社固有の情報(経営情報、財務情報、人事情報、ノウハウ等)、営業関連情報(顧客情報、技術情報、開発情報等)、お客様から提供された情報(個人情報、購買関連情報等)などがあります。

産業財産権との関係で公開されている情報以外は、社外には公開されずに秘密情報として扱われることも多く、一般には入手が困難なので、情報自体の価値が高まっているのです。

 

2 営業秘密の漏洩

営業秘密の漏洩の原因については、現職の社員による書類の置き忘れやメールの誤送信等の過失によるもの、外からのサイバー攻撃よるものや退職者の持ち出しによるものなど、様々なものがあります。

いったん漏洩された情報は、知られていない状況に戻すことができませんので、会社としても漏洩を防止するための対策を講じる必要があります。

 

3 営業秘密の漏洩を防ぐために

営業秘密の漏洩を防ぐためには、以下のような対応策を検討すると良いでしょう。

 

(1)物理的・技術的な対応策

① 情報そのものに近づけないようにする。

持ち運びできるパソコンや重要な書類は、キャビネットに格納し、確実に施錠したり、ファイアーウォールを導入したり、情報へのアクセス権を制限したりして、物理的に情報に近づけないような対策をする必要があります。

 

② 情報を持ち出しにくくする。

私物のUSB等可搬記憶媒体を社内へ持ち込ませないようにしたり、データを暗号化したりして、情報を持ち出しにくくすることで漏洩のリスクを減らしましょう。

 

(2)心理的な対応策

① 漏洩を発見しやすい環境づくりをする。

パソコンのログを管理したり、防犯カメラを含めた職場のレイアウトの検討をしたり、常に整理整頓を呼びかけたりすることも情報漏洩の早期発見には有効です。

 

② 秘密情報であることがすぐにわかるようにする。

その情報を取扱う人が、それが秘密情報であることがわかるよう、認識しやすくすることも重要です。例えば、秘密であることを明記したり、研修を行って周知したり、持ち出してはならないことを張り出しすることが挙げられます。

 

③ 社員と密なコミュニケーションをとる。

社員のワークライフバランスに配慮したり、社員が前向きな気持ちで業務に取り組めるようにするため、コミュニケーションを密にとったりして、信頼関係を築くようにすることも大切です。

 

4 秘密情報が漏洩されてしまったら・・・

会社がどれほど注意して対応していたとしても、営業秘密の漏洩が起きてしまうことはあり得ます。

そのような事態になった場合、どのように対応するのが良いでしょうか。被害を最小限にするためには、営業秘密の漏洩が起きた後の方策についても十分に検討しておく必要があります。

漏洩の疑いがあったら、社内調査を行って状況を把握し、対策チームを設置するなどして初動対応をとります。その後に民事的措置や刑事的措置をとって責任追及していくことになります。調査の過程で出た証拠の保全等も確実に行うようにしましょう。

 

5 まとめ

無いに越したことはありませんが、今後も自社内で絶対に無いとは言い切れないのが、情報漏洩です。

普段からどのような対応策をとるべきか、万が一漏洩が起きた場合にどう対応すべきかについては、会社規模やどのような営業秘密を保有する会社なのかによっても異なります。

従って、こういった運用面についても自社の顧問弁護士に相談し、自社に合った内容での対応策を考えることが大切です。

また、顧問弁護士であれば、万が一自社が情報漏洩のトラブルに巻き込まれた場合であっても、的確且つ迅速な対応策を教えてもらうことができます。早めに自社に合った顧問弁護士を見つけると良いでしょう。